あとのことは知らんよ「クリムゾン・ピーク」残念人間見本市

『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』から始まった作家・江波光則さんの映画感想文、今回は年明け早々公開『クリムゾン・ピーク』です。例によって映画の展開に触れているので、ご注意ください。今回が年内最後の更新になります。約半年、お読みいただきありがとうございました。来年も本連載は続いていきますので、お楽しみいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。


■クリスマスは青椒牛肉絲食べました。

 クリムゾンピークの試写会に招待していただきました。今回はアレですよ、いつもみたいにハヤカワ枠に混ざり込むとかそういうんじゃないですよ。名指しですよ。僕も出世したと見なしていいのではないでしょうか。してませんか。社交辞令ですか、そうですか。「『ウォーキング・デッド』のレビュー楽しみにしてます」とか言われてちっと舞い上がっちゃいましたよ。ちょろいもんですね。僕はそんな感じでちょろいのでどんどん招待していただけると業界の人っぽくなって自己満足出来るので、是非。

 ところで皆さんクリスマスはどう過ごされましたか? 僕は『クリムゾン・ピーク』の試写会に参加させていただいた以外は特に何もありません。晩飯は青椒牛肉絲食べました。というのも、『クリムゾン・ピーク』はクリスマスとか年末っぽいんですよ。赤くて黒くて白くてゴシックだから。一月公開なのが惜しい。12月公開にして、クリスマスにカップルの皆さんがデートで見るのにちょうどいいです。作中のラブロマンスによってお互いへの不信感が高まってちょうどいいと思います。


■ゴシック風残念人間見本市

 内容としては、残念な人間の見本市みたいにことごとく主要キャラが人間として社会人として残念な感じになっています。まず主人公が世間知らずでお嬢様で作家志望という三役揃ってますからね。そして(お嬢様の)幼なじみはコナン・ドイル好きの探偵気取りなんですが、推理がワンテンポ遅いのでうかうかしているうちに主人公を寝取られてしまうし。動きが鈍い。そして姉の命じるままに結婚詐欺を繰り返す自立心に欠ける二枚目と、社会性ゼロのバーサーカー属性で弟の事が性的に大好きな姉。

 極彩色のカラーで豪華絢爛に織りなす残念人間見本市。こうなっちゃいけないなって人たちばかり出てくる。唯一、主人公のお父さんが人間的にも社会的にも立派だったのに惨殺されるし。立派な人から先に死ぬ。最終的にみんな死ぬ。いや主人公と幼なじみは生き残るんですけど、多分この先もろくでもない人生歩んで他人に迷惑かけそう。

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江波光則映画レビュー

江波光則

6月下旬に終末SF『我もまたアルカディアにあり』を刊行した江波光則氏。 もともと映画がお好きな江波氏に、「終末」つながりで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を見た感想をまとめていただきました。

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isoparametric7 年内最後の更新です。江波光則さんの映画レビュー掲載→ 4年弱前 replyretweetfavorite