タモリって、最近イイよね
タモリってさあ、最近イイよね。って「マルクス兄弟特集」オールナイト上映中の浅草の映画館ロビーでくつろぐ、バカお笑いマニアのような書き出しをしてみた。
「イイ」というのはあまりしっくりこない表現なのであるが、私のタモリ観はここ一年ほどで結構変わった。密室芸の達人として売り出し、その後、お茶の間の人気者へ、という経緯は、よく「“いいとも”でタモリは終ったね」とか「毒が無くなってつまらない」という定評につながった。でも、私はその「毒のあるタモリ」自体、あまり知らない。うちの田舎ではタモリがMCをしていたという伝説の「空飛ぶモンティパイソン」とかいう番組もやってなかったし、「うわさのチャンネル」だってやってなかったから。
“おもしろい事を言わない”タモリに怒りを覚えていた
だから私は「毒のなくなったタモリはつまらない」というのとは違う意味で、タモリをつまらないと思っていた。そのピークは六~七年前から二~三年前にかけてだろうか。「おもしろい事を言わない」ということに、怒りさえ感じていた。