受け入れてあきらめる」ということ

外国人が日本に来て驚くことのひとつに、「日本人は列を守る」ということがあります。規律を守ることを大事にする日本人に比べて、列を守るという習慣があまりありません。そんな海外の人たちに戸惑ったり怒ったりする前に、その考え方の違いを知ることが大事なのかもしれません。


世界の壁は高くない—海外で成功するための教科書(廣済堂出版)

〈価値観の壁〉

バラバラに歩く欧米人、整列して歩く日本人

 私はよく、小人数から大人数まで海外で団体をアテンドするのですが、集団行動する際、日本人がみんなをまとめるのに苦労するのをたびたび見てきました。
 というのは、外国人がすぐバラバラな行動をしてしまうのです。ひとつの目的地に行こうとしても、何か見つけるとすぐ横にそれてしまう、電車で移動していても車両の中を勝手にすぐ移動してしまう、列を抜けてどこかで別のことをしたい、行きたいといい出す、右に左に前に後ろに広い範囲をバラバラに歩き、なかなかどこにいるのか把握しづらいのです。
 さらに、集合時間にちゃんと集まらない、食べるものも行きたいところもバラバラ、リクエストも多い等、苦労が絶えないのです。
 こういうときは、ぜひ、一度あまり心配せずに、ほうっておいて行動してみるといいです。
 日本人が思っている以上に、最終的にはちゃんといっしょに行動できます。
 バラバラなはずなのに、なぜか、結局、ちゃんとついてこられたりします。

 日本では、整列させることやルールを守らせることに集中してしまい、それができていないと、事がうまくいっていないと考えがちです。
 また、海外では「Be different(個性的であれ!)」がよいこととされ、日本の「はみ出してはいけない」というような価値観は無いことからも来ていると思います。
 集団行動をしていても、違うものに興味をもって、違う行動をその範囲の中で行うことはあまり珍しくないのです。

 仮に、ルールを守らせようとすると、余計な労力がかかるだけでなく、概して本来、大切にしなければならないその場の雰囲気や、会話を楽しんだりすることを見失いがちです。
 銀行の窓口システムでも、店頭に誰も並んでいなくても、「番号札をお取りください」といわれます。ルールなのはわかりますが、海外の人がそのような状況を、よく「boring」、要するに「つまらない」と思うことがあるのと似ていると感じます。

 最近も、「日本人はなぜ、車が通らないのに、信号を待つのか」と聞かれ、改めて、「あー、やっぱり待たないんだ。それはさすがに……」 とは思いましたが、その程度のことでカリカリしていては海外ではやっていけません。

「受け入れてあきらめる」ということ
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チャレンジする人の背中を押したい!

世界の壁は高くない

鳩山 玲人
廣済堂出版
2015-11-26

この連載について

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世界の壁は高くない—海外で成功するための教科書

鳩山玲人

サンリオで海外戦略を担当。会社の営業利益が入社5年目で約3倍となり、常務取締役となった鳩山玲人さん。2015年、ハローキティをハリウッドデビューさせるための、社内ベンチャーのCEOに就任し、米国経済誌により「今まででもっとも成功したハ...もっと読む

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kabothomas 「玩具業界はイスラエルに拠点を置く会社が多いのですが、サンリオの欧州拠点(ドイツ)とイスラエル拠点が資金回収でもめるときには、必ずホロコーストの話が蒸し返されます」。 約4年前 replyretweetfavorite