出版社の新人賞に持ち込む人は40年間生き残れない
加藤貞顕(以下、加藤) コルクは新人発掘も熱心にやっていると思います。今度、「コルク×note漫画コンテスト」を行うのですが、それについてお話を伺えますか?
佐渡島庸平(以下、佐渡島) やっぱりコルクは、有名作家だけでなく、新人もサポートしていきたいと思っています。それで、いまおもしろいひとがどこに作品を出すのかなと考えた時に、今はネットに載せるんだと思うんですよね。昔だったら出版社に持ち込んだのかもしれないわけですが。
加藤 確かに、いまどきのおもしろい人は、まずはネットに書いたものを載せるでしょうね。
佐渡島 僕が作家になるとしても、まずはTwitterとFacebookとブログを始めると思います。コルクを立ち上げたときも、プレスリリースはつくらず、Twitterとブログで告知するだけで十分足りました。そこの考え方が同じ人のほうが、僕と一緒に仕事をして齟齬が起きないでしょう。それで、今はnoteという場所がおもしろい場所に育ってきていると思うんです。
加藤 ありがとうございます。
佐渡島 新人の人が今、世の中のサービスで何を使ってデビューするのか、どこに投稿するといいのかと考えたとき、フラットに全部のサービスを見たら、noteを選ぶと思ったんですね。
加藤 プロのマンガ家のかたも使ってくださってますし、『岡崎に捧ぐ』の山本さほさんがデビューしたり、最近だとかっぴーさんが登場したり、noteのマンガは盛り上がってますよ。マンガの投稿数は10倍の伸びですね。
佐渡島 noteは投稿が楽だし、拡散するのもいいです。山本さほさんの例がありましたが、実績があることも重要だと思います。noteに作品を載せたら出版社の人たちからの依頼がたくさん来て、単行本もよく売れたという実績があると、ほかのマンガ家たちも続きやすいですよね。
加藤 ということで、「コルク×note マンガコンテスト」についてちょっと話しましょうか。どんな作家さんと出会いたいですか?
佐渡島 先ほど僕が言ったような、自分の頭の中をパブリッシュするようなことに対して、最先端な取り組みを一緒にやってくれる作家と出会いたいですね。
加藤 作り方だけでなく、売り方も含めて感覚が共有できる作家を見つけたいと。
佐渡島 noteに投稿してもらうのは、奇抜なことをする必要はなくて、普通のマンガでいいと思うんです。けど、そのマンガをこれからの時代に合うようにどんどん進化させていきたいんですよ。そういう人と出会いたいです。ITでどんなことができるのか、どんな相手とビジネスをしたらいいのか、といった知識は僕らのところにありますから、そこからいっしょに作っていきたいなと。
僕は、新しいビジネスは、新しいクリエイターが生み出していくものだと思っているんです。
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