ビジネスパートナー化していく夫婦関係
渡辺由佳里(以下、渡辺) 明子さんの文章を読んで、自分をつくろわない正直な人だという印象を受けました。人に読まれるとまずいからちょっと変えよう、みたいなところがないんじゃないかと思ったんです。
紫原明子(以下、紫原) いや、でも本当は変えているかもしれませんよ(笑)。
渡辺 あははは、でも、誰もが本心ではそう思うよねっていう、共感できる部分がたくさんあるんですよ。
紫原 わたし、自分のことをものすごく標準的な人間だと思っているんです。だからわたしが思ったことは、結構みんなも思っているっていう妙な自信があります。わたしが育ったのは福岡の田舎の町なんですけど、中流ど真ん中のまるでサザエさんみたいな家で、うちみたいな家庭が日本で一番多いんだろうと思いながら育ったんです。そうしたら、なぜか自分の結婚生活はそういうふうにならなくて(笑)。
渡辺 結婚された時って、若かったんですよね。
紫原 18歳の時に結婚しました。家族になるからにはお父さんとお母さんはずっと仲良く、夫婦になったらちょっとくらい嫌なことがあってもずっと一緒で……そういうふうになんとなく考えていたんですけど、そうは思わない人もいるんだなっていうのを前の夫で初めて知りましたね。
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