第12回】愛とごはんと集中治療室

人生ソロ活動が得意と常々標榜され、強く生きているように思える岡田さんにも、昔の恋人たちを夢に見て、うなされることがあるといいます。岡田さんにとって恋愛とは? 愛することと食べることを結びつけながら、いろいろな思い出を振り返ります。

 昔の恋人たちを夢に見ることがよくある。夢の中の恋人たちは、大抵が妻子持ちになっていて、私と一緒にフラフラした生活をしていた頃よりもずっと幸福そうである。そうして夢の内容は、彼らが「私をその場に置いてどこかへ行ってしまう」あるいは「すっかり様変わりして私のことを憶えていない」というパターンが多い。

 私には結婚願望というものが、よくわからない。20代後半、ほとんど狂ったように「結婚したい!」と呻吟していた時期があるけれど、今にして思えばあれは、健全なホモサピエンスのメスとして出産ベストシーズンのホルモンが体内にみなぎっていたのを、天からの怪電波と誤解して受信していただけという気がしている。というか、世に言う結婚適齢期というのだって、イキのいい卵子、出てまっせ! の婉曲表現でしかなかろう、という気分にもなる。

 私は自分を動物である以上に人間であると認識しているので、そうやって生物の本能に突き動かされて行動するのは、何かちょっとはしたないというか、熱に浮かされすぎていて、本来あるべき自分の姿ではない、というふうに思いがちである。自分が結婚するのなら、もっと社会的な理由でしたい、などと思うのだ。

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ハジの多い人生

岡田育

趣味に対する熱量の高いツイートと時事に対する冷静な視点でのツイートを自在に繰り出すWEB系文化系女子okadaicこと岡田育。 普通に生きているつもりなのに「普通じゃない」と言われ、食うに困らず生きているのに「不幸な女(ひと)」と言わ...もっと読む

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ishiki_db ”一緒にごはん食べる回数が増えるほど、相手に情が移る” この一行がグッとくる。 約4年前 replyretweetfavorite

ishiki_db ”一緒にごはん食べる回数が増えるほど、相手に情が移る” この一行がグッとくる。 約4年前 replyretweetfavorite

kituneponyo 一生のうちに食べられるごはんの量には限りがある https://t.co/RUgMKg4urT 4年以上前 replyretweetfavorite

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