Q. 元メシマズ嫁・虹子はいつのまに料理がうまくなったのか?

「台所を破壊するクラッシャー系メシマズ嫁」であった荒岩の妻・虹子。新聞記者という立場から仕事で段取り力や注意力を使い果たしているのか、料理しているうちに台所が散らかり、大騒ぎの末に鍋やお皿がドンガラガッシャンしてしまい、台所はクラッシュして料理どころの話ではない。そんな彼女が料理の才能を開化させたのは、どうしてなのか探る。荒岩のけっしてけなさず、「こってり濃厚にほめる」テクに注目して欲しい。

A.荒岩家の「褒めて伸ばす」技術の結果。それに加えて、荒岩カミングアウト前の頻繁な代打登板という試練を乗り越え料理強者になった!

クッキングパパ・荒岩の妻の虹子は、かつて料理が超苦手な「台所のあらゆるものを破壊するクラッシャー系メシマズ嫁」であった。

最近のクッキングパパしか知らない読者の方のなかには「えっそうなの? 虹子もそこそこ料理うまいじゃない」と思う方がいるかもしれない。それくらい、現在の虹子の料理の腕前は上達し、おいしい料理を作るようになっている。

はたして、どうして虹子は料理がうまくなったのだろうか。

虹子は、料理に不慣れな人によくある「作りながら片づけをする」のが苦手なタイプ。 料理をしているうちに台所が散らかり、そのうち手元が狂って包丁で指を切ったり大騒ぎをしているうちに鍋やお皿がドンガラガッシャンと雪崩を起こしたり……。そうこうしているうちに台所が地獄のような有様になるという、クラッシャータイプの料理下手。

もしかしたら、虹子は優秀な新聞記者だが、仕事で段取り力や注意力を使い果たしているためにこのような状況になるのかもしれない。

虹子にかかれば台所はこの惨状©うえやまとち/講談社

もちろん、作る料理もなかなかのもので、荒岩の出張のときに虹子が作ったお弁当もなかなかのクラッシュスタイルなのでご覧いただきたい。

虹子作のワイルドすぎる弁当©うえやまとち/講談社

チャレンジ精神を失うな! 生命線である眼鏡を失った虹子が、いま、親子丼に挑む

そんな虹子が初めて美味しい料理を作ったのが「親子丼」。

急に仕事が立て込んだ荒岩に代わって、虹子が息子まことの夕食を用意することになる。お弁当屋さんで弁当を買う選択肢もあったけれど「やめよっ! 今日くらいは夕食作ってみよう」と、果敢に挑戦する道を選ぶ。

さすが新聞記者、ハードな仕事のなかで培ったガッツがあるのだ。

しかし、この日の虹子は大きな不安要素を抱えている。虹子はこの日の朝に眼鏡を割ってしまっていて、虹子の上司が「これ以上仕事をさせるのは危険」と判断して虹子を早めに家に帰すほど、ものすごく危なっかしい状態だったのだ。

超近眼である虹子にとって眼鏡は生命線。

こんなコンディションで虹子が包丁を握るなんて、勝つあてのない戦に出かけるようなものだ。お弁当にしておいたほうがいいんじゃないかなー……と思ってしまうが、虹子はひるまない。

料理本を読もうとするもボヤけて読めないので「よしっこうなったらカンで作っちゃおう」と開き直る。

「よしっ」じゃないよ!

どこをどう考えたらそうなるんだ……と呆れてしまうが、案の定、眼鏡のない虹子は指を切る・砂糖と塩を間違える・卵を踏むなど、大方の予想通りのドジをきちんと踏み、いつも以上にドンガラガッシャンと台所を散らかす。

眼鏡を失った虹子の奮闘ぶりをご覧下さい©うえやまとち/講談社

しかし、奇跡が起こる。

この破れかぶれで作った親子丼がすごくおいしかったのである。砂糖と間違って塩をたくさん入れてしまい、だし汁をタップリ入れて薄めたために、すまし汁仕立てのアッサリと上品な味わいになっていたのだ!

この「虹子の親子丼」は「ペニシリンの発見」と並ぶほどの失敗を逆手にとった大成功なのだ。

意外なおいしさに虹子もビックリ©うえやまとち/講談社

虹子の驚きのアイデア炸裂! 秘訣は荒岩の「褒める技術」か

親子丼の成功はビギナーズラック的な成功だが、虹子は第2子妊娠中の産休の時期にかなり意欲的に料理に挑戦している。それはもはや「やぶれかぶれで作ったら意外とおいしかった!」という勢いと偶然性だけでなく、虹子の意外な料理の才能が開花たような料理ばかり。

虹子が得意とするのは、閃きで作るアイデア料理。

「サボテンを樹脂で固めた宮崎のみやげもの」を見てひらめいた、色鮮やかなサラダをコンソメのゼリーで固めた「クリスタルボール」は荒岩も絶賛の名品。みやげものをモデルにしたと思えないほど可愛らしいこの料理、いまの時代だったら持ち寄り家飲み女子会などに持って行ったらウケそうなヘルシーかつフォトジェニックなメニューだ。

虹子が見開きで描かれるような料理を作るとは……!©うえやまとち/講談社

イメージソースの宮崎みやげ©うえやまとち/講談社

このほかにも、「イタリア人の友人・ティートが来て居座っているけど、家に食材がイタリア土産のスバゲッティと干し椎茸しかない!」というピンチに虹子が作った「ダシスパ」。干し椎茸とスパゲッティをいっしょに茹でて、干し椎茸のダシ風味豊かに仕上げた斬新なメニュー。この作り方はいま人気の時短レシピ「ワンポットパスタ」を先取りしたような感じで、いま見ても新しい。

出産間近な時期には、「おなかがポンポンになって、一度に少しずつしか食べられない」と言って夏の残りのそうめんを茹で、なんとそれをの海苔で巻き、切り込みを入れて油で揚げ、ウニやいくらなどをトッピングした「いそぎんちゃん」。お客さんに出してもOKなほど見栄えもする変わり種の料理だ。

ドンガラガッシャンとしながらも虹子にしか作れないアイデア料理を作っていく。

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クッキングパパの謎

澁谷玲子

開始から30週年を迎えた『週刊モーニング』の人気連載『クッキングパパ』。ガッチリとした体型としゃくれたアゴがトレードマークの無骨な九州男児・荒岩一味が織りなす、身近な素材を作って作った絶品料理の数々に、ヨダレを垂らしながら読んだ読者も...もっと読む

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