Q.クッキングパパの娘・みゆきの料理に隠された悪意とは?

料理上手の荒岩ファミリーには脈々と子どもにも受け継がれているようで、兄のまことは小さいときから父母の帰りが遅いときにサンドイッチを作ったり、いまや麺まで打つ料理の才能を見せている。一方みゆきはというと、兄と同じく人を喜ばせる料理を作るのが好きだけれど、まこととは違う個性があるようだ。つまりちょっと遊び心が行き過ぎるぐらいな料理センスを持っているのだ。そのはっちゃけぶりは、ある意味デンジャーともいえる。そんな独特なみゆきの料理センスを検証してみたい。

A.料理で人を喜ばせる荒岩に育てられたのに、みゆきの料理はヘンテコ、ジャンク、激辛地獄……なぜか人を震え上がらせるもの多数!


荒岩家で愛情たっぷりに育てられた荒岩のふたりの子供たち、まこととみゆき。荒岩の料理好きは、自然とふたりの子供たちにも受け継がれている。

兄のまことは小さいときから父母の帰りが遅いときにサンドイッチを作ったりして料理の才能を見せていたけれど、沖縄の大学に進学したいまでは「沖縄そば」を作ったりしている。しかも荒岩家の血を継ぐ者らしく、当然のように麺を打つところから。みごとに荒岩の凝り性を立派に受け継いでいるのだ。それだけでなく「料理で人を喜ばせるのが大好き」というところもしっかり受け継いだようで、大学の寮でも、先輩や後輩においしい料理を作ってみんなを喜ばせている。

荒岩家がそばを作ると言ったらそれは麺を打つところから©うえやまとち/講談社

妹のみゆきのほうはというと、基本はまことと同じく人を喜ばせる料理を作るのが好きだけれど、まこととはちょっと違う個性がある。みゆきは料理に対する遊び心が行き過ぎるところがあるのだ。

みゆきが小学3年生(推定)の頃、同級生の友達のけんたが転校することになり、お別れパーティを荒岩家で開くことになった。母・虹子のアイデアにより、みんなでギョーザパーティをすることに。友達みんなでワイワイギョーザを包み、自由に楽しくギョーザを作る中、みゆきはギョーザの皮の中にギョーザの皮のみを詰め込んだ食べてガッカリのギョーザを作り、けんたに食べさせている。

子供らしいちょっとしたいたずらだけれど、これは恐怖のみゆきメニューの始まりに過ぎないのだ。

とくと味わえ、みゆきのデンジャーメニューを!

さらに荒岩が講師を勤める「老人料理教室」でもんじゃ焼きを作ることになり、老人たちの孫やみゆきも参加して「みんなで自由にいれる食材を買ってきて楽しいもんじゃを作ろう!」と盛り上がったときには、みゆきはさらにパワーアップした冒険心を見せている。

みんなが「カレーもんじゃ」や「ピザもんじゃ」などの順当においしそうなもんじゃ焼きを作るなか、みゆきが作ったのは「ゴーヤ、イチジク、アロエジャムに洋ナシのもんじゃ」と「ダシにコーヒーを加えて甘栗を入れたもんじゃ」。

さてはみゆき、最初から「おいしいもんじゃを作る」という気は一切ないな……。

遊び心というより、もはや悪意すら感じるメニューを「あはっ」と無邪気に笑いながら老人たちに食わすみゆき……。もちろん老人たちはそのマズさに悶絶、それを見て満足そうに笑うみゆき。

みゆき、「あはははー」じゃないよ!!©うえやまとち/講談社

みゆきはまさか単純に人がとんでもないメニューを食べて「ぶへ~っ」と苦しむ顔を見るのが大好きなのではないかと。

そのまさかが、確信に変わるときがやってくる。

荒岩の元部下で、いまは退職して宮崎県で暮らしている「吉田ちゃん」が、夫となる男性を連れて結婚の挨拶をしに博多の荒岩家を訪れる。 みゆきはふたりが持っていた宮崎名物「ジャリパン(コッペパンに砂糖がじゃりじゃりとするクリームが挟まっている)」に食いつく。

みゆき、「ジャリパン」にめっちゃ食いつく©うえやまとち/講談社

ジャリパンのおいしさに感動したみゆきは、学校の友達と一緒に家でジャリパンを再現する。

こういうときのみゆきの行動力はかなりのもの。

買ってきたコッペパンに自分たちでいろいろなものを挟みさまざまなジャリパンを作っている。子供たちの自由な発想で、甘いクリームとジャリッとする塩がマッチする「塩ジャリパン」、クリームチーズと砂糖の「チーズジャリパン」、味噌と砂糖の甘じょっぱいおいしさの「みそジャリパン」など遊び心あふれるおいしいジャリパンがたくさんできた。もちろん、わさびやマヨネーズなどの失敗作もあったけれど……。

そして吉田ちゃん夫婦が博多を去る日に、新幹線のホームで「友だちとおもしろいジャリパンをつくってみたんだ 電車の中で食べてみて」とバターロール版のいろいろなジャリパンを6個、タッパーいっぱいに作ってきて渡している。

もう、この時点でちょっとイヤな予感がするが、もちろんこのうちの1個は「わさびジャリパン」。

車中で食べてしまった吉田ちゃんの夫は悶絶……。

「妻の元上司の娘」という、普通なら一生会わなくていいような微妙な関係性の子供の作ったパンを食べて新幹線のなかで悶え苦しむ羽目になるとは、なんとも気の毒だ。

吉田ちゃんの夫は悶絶……©うえやまとち/講談社

このときもみゆきは自分の作った「わさびジャリパン」に引っかかって苦しむ人の顔を想像してご満悦。

やはりみゆきは、どうしても食べ物で悪ふざけをして人をちょっとヒドい目に遭わせたい気持ちがあるようなのだ。家族や友だちならまだしも、ほぼ初対面の人物までも毒牙にかけるとは、なんともおそろしい子だ。

わさびもそうだが、とにかくみゆきに刺激物を扱わせるとロクなことにならない。

みゆきと親友のリナがラムネを作ったときのこと。ふたりは花粉症の季節にぴったりのさわやかなラムネを作るべく、ハッカ油をラムネに加える。ハッカ油と言えば、数年前からネット上でも「猛暑のなか、涼をとるためにハッカ油入りの風呂に入ったら、寒すぎて震えが止まらない」などの危険な事例が散見されるちょっとデンジャーなアイテムである。

そんなアイテムを手にして、みゆきのテンションが上がらないわけはない。

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クッキングパパの謎

澁谷玲子

開始から30週年を迎えた『週刊モーニング』の人気連載『クッキングパパ』。ガッチリとした体型としゃくれたアゴがトレードマークの無骨な九州男児・荒岩一味が織りなす、身近な素材を作って作った絶品料理の数々に、ヨダレを垂らしながら読んだ読者も...もっと読む

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コメント

r_mikasayama クッキングパパ妻・虹子は以前天然の料理下手でしたが、娘・みゆきの料理はそれとはまた別のデンジャーさがあるのです→ 4年弱前 replyretweetfavorite