東京都葛飾区亀有で、昔ながらの靴店を展開していた「靴のリード」。不況や大型量販店の影響をもろに受け、楽天市場への出店に踏み切ったのは、ネットショップの黎明期ともいえる今から14年前のことだった。
当時はまだライバルも少なく3年余りで月商1000万円を突破。だが、「よい商品をたくさん仕入れてがつんと攻めていきたかったが、資金が乏しいため人も雇えず、3000万円を超えるまでは我慢だった」と山屋潤社長は振り返る。
そのラインを超えたのは2007年のこと。新たなスタッフを一気に13人採用し、コールセンターを設置したり、ページ作成チームや梱包チームを立ち上げたりして、効率的な運営を行えるようになったという。
こうした組織づくりは、山屋社長の悲願でもあった。顧客からの問い合わせや苦情、返品対応に追われ、メンバーの業務がパンク寸前だったからだ。
とはいえ、顧客の声をおろそかにはできない。レビューに直結し、ひいてはランキングに影響が出るからだ。「出店数が膨大になり、ランキング上位くらいしか見てもらえない。だから、苦情一つにも真摯に向き合わなければならない。それが信頼につながり、リピーターの確保にもつながるからだ」(山屋社長)。
開業当初から「ネットで日本一の靴店になる」という目標を掲げていた山屋社長。月商5000万円を超え、手応えを感じている。
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