柴又のメトロン星人の巣と、インディジョーンズになれる手漕ぎボート

新刊『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編』の出版イベントを行なった宮田珠己さん、2回目に登場する「スゴい」観光スポットは、葛飾柴又の帝釈天。寅さんで知られる誰でも知ってるこちらのどこに宮田さんは注目したのでしょう。そしてもう1カ所は「手漕ぎボートの聖地」と名高い場所をご紹介。本当に手漕ぎで行っていいの?というくらいの絶景スポットです。

柴又帝釈天の裏に、メトロン星人の巣窟?!

宮田珠己(以下、宮田) 今度は東京です。誰でも知ってる柴又帝釈天。

三省堂書店 内田剛(以下、内田) ええ、みんな知ってますよね。

宮田 正面は誰でも知ってるんですけど、その裏に回ると、帝釈堂っていうのがありまして。有料なんですけど、壁にこういう彫刻があってすごいんですよ。

宮田 これは大正時代に10人の名工といわれる彫刻家が、競って10枚の板を彫った。

内田 競作してるんだ。

宮田 そう。だからみんな気合入ってるんですよ。それぞれ、法華経の場面を紹介してるそうです。

宮田 1枚1枚もすごいんですけど、ふつうこういうのって、近くまで行けないんですよ。もっと遠くから双眼鏡で眺める感じ。でも、ここは柵から手が届くくらいのところに彫刻があるんで、細かいところがよく見えるんですね。

内田 近くでじっくり見れると。

宮田 こういう火が燃えてるところとか。

内田 おお、火まで彫っちゃうんだ。

宮田 こういうひとりひとりの表情とか。

宮田 なんの場面かわからないんですけど、丁寧さというか精巧さというかが、すごいんです。

宮田 ぼくはこういうお寺の彫刻がけっこう好きで、最初は、仏像が好きで仏像を見てたんです。でもそのうち、仏像は木像よりも、磨崖仏なんかの石仏にひかれるようになった。石のきっちり作れないユーモラスさが面白いと思うようになって。
 それとはまた違うけど、こういう彫刻は2次元に作っているんだけど、3次元に見せようとするから、面白いんです。正面から見ると3次元なんだけど、斜めから見るとなんか歪んでたりして。

内田 ああ、なるほどね。

宮田 メトロン星人の世界というか。

内田 角度的にね。

宮田 なんか不気味な世界が香ってくるっていうか、そういうのがあって。

宮田 これなんか、正面から見たら、薬研でなにか挽いている場面の絵なんですけど、これを横からも見られるんです。横から見るとどうなってるんだろうと思うと、こうなってる。

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日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編

宮田珠己

脱力系エッセイの名手にして、巨大仏・ウミウシ・迷路旅館などヘンテコなものの目利きとして知られる宮田珠己さん。新刊の旅エッセイ『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編』でも、その独特な選択眼に思わずくすりとさせられます。宮田さんが最近、注...もっと読む

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turquoise_love |日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編|宮田珠己|cakes(ケイクス) 帝釈天の彫り物は一見の価値あり。父はいつか国宝になるんじゃないか?といってた https://t.co/Fhs9iydW7o 約4年前 replyretweetfavorite

niina_noriko 高千穂でボート乗りたい! 約4年前 replyretweetfavorite

macchi_atama 柴又帝釈天の裏に…こんなのあるの知らなかった! 実物見てみたい 約4年前 replyretweetfavorite