心のベストテン

セックスと音楽の蜜月【前編】

ポップミュージックのテーマといえば「恋愛」は王道ですが、性愛つまり「セックス」についてさまざまなアプローチを試みているアーティストたちがいました。星野源、そしてそのルーツとなるR&Bやソウルの官能的な音楽は、どのように花開いているのでしょうか。
芸人、DJとして活躍されているダイノジ・大谷ノブ彦さんと、音楽ジャーナリストの柴那典さんの響きあうナビゲーションをお楽しみください。

星野源の新曲が実はめちゃめちゃエロい件

柴那典(以下、柴) 今回はずばり「音楽とセックス」の話をしたいなと。

大谷ノブ彦(以下、大谷) お、いいですねえ。

 ポップミュージックにとって、恋愛だけじゃなく、性愛もすごく大事な要素なんだという話。日本にはセックスをあからさまに描写するような風土はあまりないけど、今すごくおもしろい人達が、いろんな角度からセックスとそれにまつわるものを音楽に落とし込んでいる。

大谷 いろいろなアーティストが思い浮かびますねえ。

 まずは前回に続いて星野源の新作『YELLOW DANCER』の話をしたいと思っていて。このアルバム、何がいいって、ちゃんとエロいことなんですよね。

大谷 え、そうなんだ。

 特に「Snow Men」という曲がいいんですよ。

大谷 この曲はめちゃくちゃいいよなあ! まずトラックがいい。

 ミュージックビデオもいいですよ。これ、女の人が全員目隠ししてるんです。まさに密室的な性欲。やっぱり星野源は変態だなあって(笑)。

大谷 ははは! 星野源はAV女優、大好きですからね。

 「君の中を泳ぎながら」「想いはこぼれ落ちる 雪のように」って歌っているんですよ。

大谷 おお、ほんとだ。しかも最後に「朱い港」「朱い水面」って歌ってる。「朱(あか)」って字を使ってるのもエロい。ちょっとゾクッとするね。

 インタビューで本人が言ってたんですけど、これはセックスのメタファらしい。実はこれを聴くまで、今のJ-POPシーンにはセックスをテーマにした、官能的なヒットソングが減ってるような気がしてたんですよ。

大谷 昔の歌謡曲の時代にはもっとありましけどね。西城秀樹さんの「ブーツをぬいで朝食を」なんて、まさにそう。この曲は阿久悠さんが歌詞を書いてるんですけど、「ブーツをぬいで朝食を」って、パッと聞いたら何のことか意味がわからないじゃないですか。でも、これは実はセックスのことを歌っている。

 「裸の胸と胸を合わせて 後は流れ行く時のままにまかせ 波間にゆれている舟のように」、これは間違いないですね。

大谷 しかも、モーニングセックスですよ。それを「ブーツをぬいで二人だけの朝食」って表現している。

 今は歌謡曲からJ-POPと呼ばれる時代になって、さらにアイドルグループ全盛というのもあって、性愛のような秘め事が歌のテーマになりづらくなったんじゃないかって。

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心のベストテン

大谷ノブ彦 /柴那典

「音楽についてパァッと明るく語りたい! なぜなら、いい音楽であふれているから!」。ハートのランキングを急上昇しているナンバーについて、熱く語らう音楽放談が始まりました。 DJは、音楽を愛し音楽に救われてきた芸人、ダイノジ・大谷ノブ...もっと読む

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コメント

emukokun 今回はズバリ「音楽とセックス」の話をしたいなと お、いいですねえ タナソーはきもくて大谷はウザいと思ってたけど、大谷はウザくてキモかった。 https://t.co/ydrHJwng5L 2年弱前 replyretweetfavorite

moccu11 こういう話に、我らが堀込高樹が出てこないなんて…!! 2年弱前 replyretweetfavorite

nijuusannmiri 「音楽と性愛」だったら、日本ならもちろん岡村ちゃんだけど、RCの昔の曲を聴いて、そのあからさまな表現にドキドキした中学生だった、俺は、そういえば。 2年弱前 replyretweetfavorite

sake_loss https://t.co/sXwjMM2Sf4 星野源の新曲が実はめちゃめちゃエロい件 2年弱前 replyretweetfavorite