こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
今回の結論は、タイトル通り「結婚相手は匂いで決めろ」です。
12月に入ると、病院で働く医者にとっても忘年会シーズン。あちらこちらで合計10回くらい参加することになりそうです。外科医をやっているといろいろなところで色んな職種の方と仕事をするんですよ。
まずは自分の科がある病棟が二つ、これはナースの皆さんと。そしてうちの外科で、この一年回ってきた研修医の先生とうちの外科医たち、秘書さん。それから手術室の看護師さんと麻酔科の先生がた。感染管理チームのスタッフのみなさん。毎週会議をしている、消化器内科と病理科・腫瘍内科・放射線科の先生方。それから研究室の方々……と、キリがありません。
その中の一つの忘年会、歴史ある街のとある瀟洒なレストラン。私はパーティーがとっても嫌いなのですが、まあこのお世話になった皆さんにお礼を言わねば、これは仕事だと緊張で身を固くして行きました。お気に入りのスーツを着て、一昨年ウィーンで買ったXmasカラーのタイを締めて。
がやがやと騒がしい立食で、私はインドから手術見学にいらしている40代男性ドクターに焼酎と日本酒の違いについて説明しておりました。インドの方の英語、「r」の発音がかなり巻き舌で本当に聞き取りにくいのですが、やっと慣れてきたな、なんて思っていたんです。結局焼酎は口に合わなかったようで、ワインを取ってくるよ、と彼が離れたところ。
ある一人の女医さんが、私に話しかけてきました。
まっすぐに、私の目を見て。
「雨月先生、こんばんは。雨月先生とちょっとお話ししたいと今日は思っていて」
すっきりとした顔立ちで、にこっと微笑むと一重まぶたの目がほとんど線のように細くなってしまう。そのときに寄る目尻のしわがまた、美しさを増幅させている。私は久方ぶりにどぎまぎしながら
「先生、私も先生とお話ししたかったんです!」といいます。あっという間に浮き足立っています。