「日本のクリスマスは、キリスト教的ではありません。商業的です」
フランスの教会での、「世界のクリスマス」パネル展示会でのこと。
日本人の私は、「せ……せやな」としか言えない感じになっていました。
「恋人たちはクリスマスイブに、宝飾品や手作りマフラーなどを贈りあいます」
確かにこのありさま、ジーザスガン無視です。私は思春期、クリスマスが苦手でした。正確に言えば、こういう商業主義的クリスマスの、「クリスマスだから彼氏作らなきゃ! ウェイ☆」っていう感じが苦手でした。そしてその空気の中で、「そうだねあはは」と生ぬるく笑うしかない自分が、自分自身が、なによりイヤでした。
今回ご紹介するのは、昨年のクリスマス前にお寄せいただいた、親御さんに「彼氏とクリスマス過ごせたらいいのにね」と言われるのが辛い、という学生の方からのご投稿です。
同性しか好きになることができず、それをずっと誰にも言わずに秘めて来ました。
もちろん恋人がいたことはありません。来年大学生になる私は、母親に「来年こそ彼氏とクリスマスすごせたらいいのにね」とか「あなたの孫には何をプレゼントしてあげよーかな」とかそんな話をされます。そんな母に笑顔で返答するのがとても苦しいです。牧村さんはカミングアウトする前、そのような思いをされたときどのように乗り越えておられましたか?
(ご投稿を一部編集の上、全文掲載しました)
ご投稿ありがとうございます。お気持ち、よく分かります。
そんな中でも「うるさい!」「勝手な期待を押し付けないでよ!」とかブチギレず、笑顔で応えようとするご投稿者さんは、お優しい方ですね。だからこそ、ご投稿の中で、ひとつだけ心配になるフレーズが私の胸に引っかかっています。
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