ホモばかりのローマ皇帝たち 神になった少年アンティノウス【前編】

シーザー・カエサル、アウグストゥヌス、五賢帝。世界史のスーパーヒーローたちはみな同性愛者だった!?皇帝に愛された少年たちのなかでも、最も美しかったアンティノウス。彼が神となるまでの長い旅路を追います。
劉邦の宦官』や『九度山秘録』で話題の、新進気鋭の歴史小説家・黒澤はゆまが、歴史のなかの美少年を追って世界中を飛び回る人気コラム!

お稚児さんだったカエサル

「賽は投げられた」

「来た、見た、勝った」

「ブルータスよ、おまえもか」

数々の名言で知られる英雄カエサルは、天才的な戦略家というだけでなく、簡潔で雄渾(ゆうこん)な文を書く名文家でもありました。万年躁病の、彼の賑やかな生涯は、ガリアの蛮族や、クレオパトラをはじめとする美女たちへの勝利と征服の物語でつづられています。

しかし、実はカエサルには、一つスキャンダルがありました。政争に巻き込まれた若い頃、亡命先のビティニアの王ニコメデスに稚児として抱かれていたのです。戦場では抜群の戦士であったカエサルですが、普段は髪をカールさせ、化粧を欠かさない、伊達男でありました。

古代ローマの男色は、古代ギリシャと少し違っていて、根暗の戦闘民族というお国柄を反映してでしょうか、仕手ばかりがもてはやされ、受け手となることは、恥とされていました。「受け手は奴隷がなるべき」なんていう言葉もあり、男同志の愛情を哲学にまで発展させた古代ギリシャの洗練には、到底及ばないようです。

カエサルも自由市民だったのに、受け手になったので、スキャンダルになったのですね。しかし、寛容(クレメンティア)がキャッチフレーズの彼のこと、悪評も柳に風で、まったく気にしませんでした。功成り、名を遂げたあとも、男女交えて、時に仕手になったり、受け手になったりしながら、酒神バッカスもあざむく奔放な性生活を楽しみました。

そんな彼の自由な性嗜好、男女を問わず惹きつけてやまない官能の魅力を、ローマっ子が褒め称えた言葉があります。

「すべての女にとって理想の男、すべての男にとって理想の女」

同性愛者ばかりの皇帝たち
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コメント

KIA_Arashi @akishimomiji 見慣れてしまったか…。 仏教はインドの仏教と中国の仏教と日本の仏教でまるで別物だしなぁ。 教皇はそうだな。 https://t.co/QbQYtLCIFg ろーまってすごいなー(ぼうよみ 8ヶ月前 replyretweetfavorite

JDASL_SPAM https://t.co/myRKCFdzCT ネロ公だけではないので大丈夫です! 3年以上前 replyretweetfavorite

sorabo cakeはたまにこういう記事あるから好きです 5年弱前 replyretweetfavorite

tsuyu1222 なんやこれ…(゜д゜) 5年弱前 replyretweetfavorite