英語をおぼえても「コンテクスト」を理解しなければ会話ができない

米国経済誌により「今まででもっとも成功したハーバード出身者31人」のひとりに選ばれた鳩山玲人さんが、海外で成功する方法を語る本連載。海外で仕事をすると文化の違いに直面することがよくあります。それは衣食住のような目に見えるものだけでなく、目に見えないコンテクスト(文脈)の違いを理解しなければいけないのです。


世界の壁は高くない—海外で成功するための教科書(廣済堂出版)

〈コンテクストの壁〉

〝背景〟がわからないと、理解できない

 日本人が海外でビジネスを行う際に戸惑ってしまうのは、ビジネスそのものにおける課題ばかりではありません。
 それは日本人には把握しづらい、現地の人々との「目に見えない」文化の違いの存在です。どんな違いがあるのかまずは知り、それに対処すること、もしくは、受け止めて、よい意味であきらめることが大切になってきます。
 何より、壁を乗り越えるというだけでなく、そうした壁の存在に気づいておくことが重要です。

 中でも、私がよく実感するのは、生まれ育って培ってきた基本的な感覚や感性の違い、ともいうべきものです。英語でいえば、コンテクスト(文脈)です。

 たとえば、米国のコメディ映画を見ている米国人が、ゲラゲラ笑っているのに、自分はまったく笑えないというような体験をされたことがあるのではないでしょうか。
 英語の意味は理解できるのに、なぜおかしいのかよくわからないのです。
 あるとき、中国で中国映画を観たのですが、やっぱり笑うことができず、改めて衝撃を受けました。
 これは、笑いのツボが違うから。
 まさにコンテクストです。
 米国人は子どもの頃からテレビだったり、友だちだったり、学校だったり、周囲の人たちからだったり、いろんな笑いの背景を身につけてきている。それがあるから、米国のコメディ映画を笑えるのです。
 映画は米国最大の輸出産業のひとつですが、会話を主体としたコメディ映画はなかなか輸出できていません。米国では絶大な人気を誇るコメディのスターも、なかなかグローバル化できていません。それは、笑いにはコンテクストが必要だからです。
 例外としては、対象年齢層の低い大衆的なコメディ映画や、エディ・マーフィのような顔や動きで笑いを取るコメディアンが挙げられますが、そうでない笑いは、なかなか輸出ができないのです。

 しかし、米国でビジネスをするとなると、「コンテクストがわからない」なんていっていられません。
「笑いもそこそこわからなくてはいけないか?」なんて思って、「サタデー・ナイト・ライブ」という米国人に大人気のコメディ番組を一生懸命に見ていた時期もありましたが、今のところ、それほど面白くありません……(余談ですが、エディ・マーフィも、この番組出身です)。

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なぜ日本企業は海外で失敗ばかりするのか?

世界の壁は高くない

鳩山 玲人
廣済堂出版
2015-11-26

この連載について

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世界の壁は高くない—海外で成功するための教科書

鳩山玲人

サンリオで海外戦略を担当。会社の営業利益が入社5年目で約3倍となり、常務取締役となった鳩山玲人さん。2015年、ハローキティをハリウッドデビューさせるための、社内ベンチャーのCEOに就任し、米国経済誌により「今まででもっとも成功したハ...もっと読む

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コメント

wackosato これはまさにそうだなぁ。 3年弱前 replyretweetfavorite

kai0707 なるほどねぇ。 約3年前 replyretweetfavorite

Manjii902 何語でもこれは同じだけれども、お互いがリンガフランカ(英語のケースが多いけど)でコミュニケーション取るときこれ結構大事だったりする 約3年前 replyretweetfavorite