コラムを書いていて楽しいのは、原稿料が振り込まれるとき
—— カレー沢さんは、日々「あ、これはネタになるな」とは考えながら暮らしているんですか?
カレー沢 「日々の生活で自然にネタが……」みたいな、しゃらくさいことは絶対起きませんね。「死ぬほど嫌だけど今からネタを考える」と、意を決して、ネタになりそうなことを思い出して、無理やり書きます。「降りてきた」なんてことは絶対にない。
S ということは、カレー沢さんにとってコラムを書くことは苦行なんでしょうか……。
カレー沢 当然楽しいことはありますよ、原稿料が振り込まれるときとか。
—— (笑)。
カレー沢 それ以外は苦しいですが、「原稿料が振り込まれる」がコラム業の9割を占めているんで、おおむね楽しいと言えます。ただ、漫画だと、面白いことを思いついても画力が全くついていかないということが100回中5億回起こるんです。なので、表現したいことが大体そのまま表現できるという点では文章の方がいいなと感じます。
—— これまた後ろ向きな理由ですね(笑)。
いい気になるのは“負ける技術”に反します
—— 『負ける技術』を連載していた当時と今で、気の持ちように変化はありましたか? 文庫にまでなったことで自信がついて、文を書くこと自体が楽しくなったりとかは……。
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