松岡修造以外の人間は、震えながら暮らしたほうがいい—前編

世の中の理不尽をうまいこと嘲ったエッセイ集、『負ける技術』。その文庫化を記念して、著者のカレー沢薫さんへインタビューを敢行!“低姿勢をつづけていきたい”と、著作が売れてもなお「負けのプロ」でありつづけるカレー沢さん。担当編集のSさんも登場し、『負ける技術』が支持される理由を分析します。cakesで好評連載中の抜粋掲載と併せてお楽しみください。

みんなもっと震えて暮らそうぜ

— 『負ける技術』文庫化おめでとうございます。最初に文庫化の話を聞いたときはどう思いましたか?

カレー沢薫(以下、カレー沢) 結構、話半分で聞いてましたね。

— 話半分!?

カレー沢 いい話って、6割くらいしか実現しないじゃないですか。

— なるほど……聞いた時点ではあまり信じていなかったと。では、実際に実現して、講談社文庫の仲間入りをしている姿を見ていかがですか?

カレー沢 一気に作家っぽくなったなと思いました。「モーニング」で連載をしているときは「誰が読んでいるのかしら」と考えていましたし。いまだに自分の漫画や文章を誰が読んでいるのか、買っているのかという不安はぬぐえません。

— でも、単行本も刊行され、今回こうして文庫化したので、カレー沢さんのコラム読者は確実にいる、ということですよね。そろそろ自信を持ってもいいように思いますが……。

カレー沢 しかし、私が自信を持ったとして、そういう私の文章や漫画を読みたい人がいるかというと、なおさらいないんじゃないかという気がします。

— なるほど(笑)。そもそも自信をもって生きている人が手にする本ではないですものね。私も毎日ビクビクと生きていて、『負け技』を本屋で手にとってしまったクチです。

カレー沢 この本で言いたかったことはまさに、「みんなもっと震えて暮らそうぜ」ということなんですよ。

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目指すべきは、“いかに負けるか”。現代を生き抜く必読書、ついに文庫化です!

この連載について

人生は負けてるくらいがちょうどいい

カレー沢薫

世の中の理不尽をうまいこと嘲ったエッセイ集、『負ける技術』。その文庫化を記念して、著者のカレー沢薫さんへインタビューを敢行!“低姿勢をつづけていきたい”と、著作が売れてもなお「負けのプロ」でありつづけるカレー沢さん。担当編集のSさんも...もっと読む

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コメント

g_o_n22 私が名だたる自己啓発本と共にカレー沢先生の本を棚に並べるのは「こんなすごくならなくても最悪死なない」という保険なのかもしれない。 2年以上前 replyretweetfavorite

rosia29 負ける技術についてのインタビュー記事です、インタビューといっても人と会話なんて怖くて無理なので、テキストチャットです 3年以上前 replyretweetfavorite