A.ベイという名前の犬を飼っていたが、現在行方不明。
荒岩家にペットがいる、と聞いて「えっ、そうだっけ?」と思う人も多いかもしれない。実は荒岩家には、元野良犬の「ベイ」という名前の愛犬がいる、いや、いるはずなのである。
ベイが初めて登場したのは、1993年のこと。
荒岩の部下・田中が野良犬に懐かれて困っていたところを、ちょうどアパートから一軒家の借家に引っ越したばかりの荒岩が引き取って飼い始めたのだ。博多のベイサイドプレイスにいたので名前は「ベイ」と名づけられる。困っている人がいたら手を差し伸べ、いろいろな人を受け入れてきた荒岩家らしく、「今日からおまえは我が家の一員だ!」と高らかに宣言し、田中ととも犬小屋を作り、ベイを迎えている。
ちなみにみんなが食べているのはかまぼこ©うえやまとち/講談社
荒岩家の一員になったベイは荒岩家になじみ、戸惑いながらも幼かったみゆきと触れ合ったり、料理をして出た魚の中骨や牛骨などを特別なご飯としてもらったり、幸せそうに過ごしている。
ああ、ここに一匹の犬の幸せな人生を見いだしたかに思えたのだが……。
みゆきの愛を一身に受けるベイ©うえやまとち/講談社
コンソメスープに使った牛骨をもらって幸せそうなベイ©うえやまとち/講談社
愛されているのに、しだいに存在感を消していくベイ……
しかし、ベイはその後徐々に存在感を消していくのである。
初登場から1年も経たないうちに「キジバトが庭に迷い込んできたことを吠えて知らせる」という役割を小さなコマで演じるにとどまり、その回の主役を「突如庭に迷い込んできたキジバト」にゆずるほどである。
まさにかませ犬……!
キジバトの第一発見者となるベイ©うえやまとち/講談社
いや、これはベイが荒岩家になじみすぎて、もうベイがいること自体が日常の風景として定着したからかもしれない。あまり描かれていないが、ちゃんと散歩に連れて行ってもらったりしているに違いない。
……と自分を納得させているうちに、ベイが何年間も漫画本編に出てこない日々が続くようになる。現時点での最後のベイ出演回は、1999年のみゆきと仲良く遊ぶこのシーン。