パリでテロの現場をまわってみたら

パリ同時多発テロから1週間あまり。発生当時、日本に一時帰国していた中村さんが、パリに帰りつきました。知人から生々しい出来事の詳細を聞くうちに、いてもたってもいられずテロ現場に足を運んだ中村さん。現場のレストランや路上にびっしりと手向けられた花や街を闊歩する銃を構えた兵士。あの日からすこし変わってしまった街の景色と、それでも続いていくたくましいパリの日常がそこにはありました。

前回、パリでテロがあった日、私は日本に滞在していたことを書きました。

あれからようやくパリに帰ってきました。
中華系の飛行機を利用したのですが、ほぼ満席でした。テロから一週間しか経っていないというのに、中国人旅行者たちはキャンセルしなかったようです。

シャルル・ドゴール空港に到着すると、いつもより人が少ない気もしましたが、空港職員のみなさんが、かったるそうに仕事をしているのはいつもどおり。

空港からパリ行きのバスに乗ると、客と運転手が「Bonsoir!」(こんばんは)と挨拶をかわしていました。その挨拶が時には世間話に展開したりするのもいつもどおりです。
長旅の末、フランスの地に足をつけ、他人どうしが気軽に話す光景を見て「ああ、フランス帰って来たなぁ」と目頭が熱くなってしまいました。

空港から家に帰ってくるまでの間は、拍子ぬけするほど変化を感じられません。
我が家に落ち着いてから、知人、友人らと連絡を取り合いました。まわりでテロの被害にあった人は直接的にはいませんでした。
でも、彼ら彼女らの話を聞くと、知り合いの知り合いには必ず被害者がいました。そして、日本に滞在中に伝わってこなかった事件の肌触りを感じ始めたのです。

テロがあった日。

バタクラン劇場から近いレピュブリック広場。海外のテレビ局の中継車が何台も止まっていました。

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パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

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コメント

yukidarumza1 「店も客も特に何も言わないけれど、店は料理の量で歓迎し、客は店に通い続けることでお互いに励まし合っているのは明らかでした」 1年以上前 replyretweetfavorite

yukidarumza1 「店も客も特に何も言わないけれど、店は料理の量で歓迎し、客は店に通い続けることでお互いに励まし合っているのは明らかでした」 1年以上前 replyretweetfavorite

TANABE_Masahiro リンク先の3枚目の写真が撮られた場所を、私は2年半前に通ったんですよね。テロが遠い世界のものではないことを、これほど痛感させられたことはありませんでした。 約2年前 replyretweetfavorite

MadamTama |中村綾花 パリの今の空気がとてもよく伝わってきた。フィルターの薄い良記事です。 https://t.co/fnqmt6Qpvk 約2年前 replyretweetfavorite