リストラ最終決戦④ 生き残った人たち

競合の会社による買収を受けてしまったDNS。美沙達が取った非常手段は全員丸ごと退職することだった。この選択は吉と出たのか凶と出たのか。この小説は、ひとりの崖っぷちOLが会社を変えるまでの軌跡を描いた新感覚のビジネス小説です。

風のうわさによると、サムバルンに買収される直前のDNSで越野は、辞めた営業部員の代わりに新規雇用も考えていたが、結局は、DNS名義で募集をかけるわけにもいかず、そのまま合併の日を迎えた。形だけの営業部はすぐに解体となり、越野はサムバルンの子会社へとすぐに飛ばされてしまったそうだ。部下をリストラしようとしていたら、いつのまにか自分がリストラされてしまった。皮肉というより他はない。

「坂井さんは、もし僕たちをサムバルンが受け入れなかったら、どうするつもりだったんですか?」

久しぶりに顔を突き合わせた飲みの場で、ビール片手に上杉が問うた。

「いえ、受け入れるはずでしたよ。そうしないと買収した意味もなくなってしまいますからね。私は悪い「もしも……」のことは考えないようにしているんです。「もしも……」は、そうなった時に考えればいいでしょう」

「ところで、村井常務の話は聞いていますか?」

次に問うたのは村中だ。

「ええ、もちろん聞いていますよ」

「結局、お払い箱になったって本当ですか?」

今のメンバーに遠慮はなかった。

「まあ、詳しいことはわかりませんが、彼がこの買収劇をDNS側から手を引いていた人物のひとりであったことは間違いありません。しかし買収が終わった後は、体よく切られてしまったみたいですね。きっかけもわずかな経理ミスだったようです」

「村井常務はあの性格だからな、遅かれ早かれそうなってたかもしれないな」

ぽつりと草加がつぶやく。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

目標を達成できる人とできない人は何が違うのか?

この連載について

初回を読む
キラキラOL浅井美沙 わたし今日からキラキラをやめてギラギラします!

菅沙絵

仕事なんて、生活のため、寿退社までの腰かけに過ぎないと思っていた――。 そこに突如まいこんだ『希望退職者募集のお知らせ』。 やる気ゼロの崖っぷちOLが会社の魂を揺り動かすようになるまでの奇跡の成長を描く。 Yahoo!トピッ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

chiponyo 公開されました!|[今なら無料!]キラキラワードに騙されるな! 私たちはやる気をなくす言葉に囲まれている 約5年前 replyretweetfavorite