りんごの原産地は、中央アジアなどの寒冷地。トルコでは8000年前の炭化したりんごが見つかり、スイスでは住居跡から4000年も前のりんごが発掘されるなど、最古の果樹ともいわれています。
日本へは中国を経て伝わりました。時代は平安時代とされていますが、定かではありません。ただ、昔のりんごは「ワリンゴ」という、粒の小さな野生種でした。「林檎」という漢字は、もともとこのワリンゴの名前だったそうです。
皇居の東御苑には、いまもワリンゴが植えられています。味がよくて生産性の高い果物ができると、昔ながらの品種は廃れてしまうのが常。江戸時代にあった品種を植えれば、訪れる人に興味深いのではという天皇陛下のお考えで果樹古品種園が作られ、「加賀林檎」の異名をもつ「加賀藩在来」などのワリンゴが植えられているのです。
現在私たちが食べているのは「セイヨウリンゴ」。江戸後期から明治にかけて導入され、東北や北海道、長野県など、栽培に適した地域で作られるようになりました。品種改良もさかんに行われ、いまでは日本だけでも約2000種もあるそうです。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。