日本人にしか通用しないシステム

ある日、営業中の林伸次さんのお店・bar bossaに、ふらっと訪れた外国人男性。「いらっしゃませ」と声をかけた林さんでしたが、その後の彼の行動に驚かされることになりました。その行動、文化の違いやましてや常識がない、なんて簡単に考えてはいけません。林さんはそこから、今後のお店のあり方、そして外国人とのつきあい方について考えました。

飲食店で「ちょっと見てるだけです」

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、白人男性がお店にフラッと入ってきたので、「いらっしゃいませ」と声をかけたところ「ジャスト・ルッキン」と言われました。

この英語って服屋さんとかでなんとなく棚を見ていて、店員に「何かお探しですか?」と言われたときに「あ、ちょっと見てるだけです」って答えるときの言葉ですよね。それを飲食店で言うんだと思って、すごくびっくりしました。普通の日本人の考え方だと、お店に一度足を踏み入れた時点で「お客さま」ですよね。それを「ちょっと見てるだけ」って言われたのでびっくりしてしまいました。

でも、これ、実は過去に一度、韓国のソウルで経験したことがあったんです。ソウルのカフェって今、東京よりもお洒落で面白いお店がすごくたくさんあるんですね。で、現地でカフェの本も出している詳しい韓国人の女性に、ソウルのいろんなカフェを紹介してもらったんです。

いっぱいいろんなお店には行ってみたい、でも時間もあまりないし、胃もひとつだし、全部のカフェに入ることはできません。どうしよっかなあと悩んでいたら、その友人が「大丈夫」って言って、フラッとカフェに入って「ちょっと見てるだけです」みたいなことを伝えると、韓国のカフェのスタッフは全然驚かずに「どうぞ」みたいな雰囲気だったんです。

飲食店経営者の僕としては思わず「そんなことして大丈夫?」って聞いてしまったのですが、彼女は「大丈夫、大丈夫」って言うんです。飲食店に入って別に注文しないで中の内装や雰囲気なんかをただ眺めるだけって、日本以外では全然OKなのかもしれません。

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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netalius69 #neta |ワイングラスのむこう側|林伸次|cakes(ケイクス): ある日、営業中の林伸次さんのお店・bar bossaに、ふらっと訪れた外国人男性。「いらっしゃませ」と声をか.. https://t.co/nKKXa3t8NR 3年以上前 replyretweetfavorite

JappinKinkyLady https://t.co/CXu4VHW2Zi 3年以上前 replyretweetfavorite

DJkazma69 居心地のいい店が増えるといいなあ。 3年以上前 replyretweetfavorite

yasgreen615 カタルーニャのオープンバル入ったら「スペイン語話者以外お断り」と言われたんだが海外行ったら理不尽な店は山ほどあるしそれが多様性というもの。 ご丁寧に外国人仕様にしてあげてるのも日本人だけ。 3年以上前 replyretweetfavorite