年賀状に「新春」とか「迎春」とあるのを、内心不審に思いながら育ちました。まだ全然寒い、つーかむしろ雪が降ったりするのはこれからでしょ、なのになんで「春」なのさと。子供心に考えた末、正月はめでたい、めでたいことを春と言うらしい、だから正月のめでたさを喩えて、いわば観念的に「春」の語を使うのだろうと、自分で自分を納得させていました。似たようなことに年末恒例の忠臣蔵があります。テレビドラマだと当たり前のように雪が降っていて、昔は今より寒かったんだな、こりゃ温暖化も騒がれるわけだ、と思い込んでいたけれど。
あれもこれも間違いだった。そう気づいたのは、俳句を始めてからです。
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