日本は今や失敗例のお手本として研究されている
日本が失われた年を経験した現代において、日本独自の働き方や経営手法を真似すれば成功すると考えている単純な人々は、皆無といっていいでしょう。日本というのは、ビジネスや経済、国家経営の世界において、今や失敗例のお手本として研究されている「世界の劣等生」なのです。
以下の図は、イギリスの経済雑誌である「エコノミスト」に掲載された、地域ごとの株式のリターン(収益)の比率と、純利益の比率です。前者は、同じ金額を株式に投資した場合、どの程度の収益が得られるかを示しています。2004年も2014年も、同じ金額を日本、EU、アメリカの株式に投資した場合、収益が得られる割合が最も低いのは日本です。つまり日本の株式に投資すると損だという意味です。後者は、企業がビジネスに投資した場合の、地域別の純利益の割合を示しています。株式と同じく、日本に投資した場合、純利益を得られる割合は最も低いのです。
今や日本が海外のテレビや雑誌で取り上げられるのは、黄色い声で騒ぐ小学生ぐらいのアイドルに熱狂する中年男、温水が出る便座、高速鉄道、農家を襲う凶暴なニホンザルのような、エキセントリックな話題がある時と、日本企業や政府の失敗に関することくらいなのです。