英語の影響力を認めるのは、欧米礼賛主義?
茂木 国内にinequality(不平等)があると、恵まれない人のセルフ・エフィカシー(自己効力感)が高まらないというもの大きな問題なんだけど、おれは、もう一つ気になっていることがあるんだよね。それは、日本とアメリカの間にあるinequalityのこと。これが、日本人のセルフエフィカシー(自己効力感)を下げてるんじゃないかと思う。もうね、日本人、諦めてんの。
北川 えっ、そうなんですか。
茂木 そうだよ。Google、Facebook、Twitter、Appleみたいな、世界にプラットフォームをつくれる企業が、日本から生まれることはもうないって思ってるんじゃないかな。
北川 うーん、ありえないとは思いませんが……
茂木 アカデミア(学術界)だって、ハーバードの先生が日本に来てレクチャーする場合と、東大の先生がアメリカに行ってレクチャーする場合には、明らかなinequalityがある。日本と、世界のパラダイムを握っているイングリッシュスピーキングのsociety(社会)の間には、ものすごいinequalityが放置されてる。これを解消しないと、日本は救われない気がする。
北川 そうですね。
茂木 北川みたいに日本からアメリカに行って活躍している人が媒介になったり、日本企業がアメリカに進出してプラットフォームを構築したりできたら、それはひとつのinequalityの是正になると思うけどね。