嗜好を変えたペアリング
私はもともと甘いものがあまり得意ではありません。特にチョコレートや生クリームがダメで、どうしてもあの甘ったるい感じが好きになれなかったのです。
ですが、あるビールとのペアリング(ビールと料理の組み合わせのこと)を知ったことで、チョコレートもおいしく食べられるようになりました。これが驚くほどおいしかったのです。大げさですが、僕の嗜好を変えたペアリングと言ってもいいかもしれません。
それは、ビールとバニラアイスのペアリングです。 この組み合わせを知った当時の僕は、それほどビールにくわしくありませんでした。ビール=ピルスナー(日本でおなじみのスタイル)という認識だったので、ビールにバニラアイスが合うはずがないと思っていたのです。
ところが、バニラアイスに合うビールもあるんですね。この組み合わせはあとでくわしく説明します。
今回は、コンビニで買えるビールと料理で、みなさんのビール選びを一新するようなおすすめのペアリングを紹介したいと思います。
ビールのペアリングにおける3つの基本理論
実際にペアリングを紹介する前に、ちょっとしたペアリングの理論をお伝えしておきましょう。これを知っているといないとでは全然違うはずです。
大きく分けて3つあります。
1.ビールで料理の味を切り、「舌をリセット」する。
2.料理と似た味のビールで「統一感」を楽しむ。
3.料理と相性のいい味のビールで「新しい味」を作り出す。
大手ビールに代表されるピルスナーを料理に合わせる場合、「舌をリセット」ということが多く、唐揚げのような油っぽいものや塩辛いものとピルスナーの組み合わせがこれに当たります。
一方、スタウトとバニラアイスは「新しい味」です。バニラアイスの甘味と相性のいい焦げた苦味のあるビールを合わせることで、両者にはない甘苦さが作られるのです。
この理論を頭の片隅に入れていただいて、コンビニで買える料理とビールの例で説明していきましょう。
ペアリング ローソン編
まずはローソンで試せるペアリングから紹介します。ローソンは「よなよなエール」などヤッホーブルーイングのビールをはじめ、クラフトビールを多く置いていて、ペアリングを試すには最適なコンビニです。可能性はいろいろありますが、最初は基本的な組み合わせから。
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