女性をうまくエスコートできるか、という最終試験
北川 人間関係って、本当にいろいろな要素が複雑に絡み合っていますよね。例えば、初対面の女の子と、どうしたら仲良くなれるかという問題(笑)。昔の僕は、一方的に自分のことばかりしゃべってしまっていたんです。しかも、わりと固い話というか、議論に近いような話を。
茂木 目に浮かぶなあ(笑)。
北川 それじゃあ仲良くなれないってことに気がついて、今度は聞き手に回ろうとしました。それで、ひたすら話を聞いていたんですが、それだけでもダメみたいで。
茂木 まあ、そうだよね。
北川 やっぱり、ちょうどいいバランスで自己開示もしていかないと、相手は親しみがわかない。この2面性がおもしろいなあと思うんですよ。
茂木 男女の関係は、ある種貿易みたいなものだよね。気をつけないと、すぐ輸入超過とか輸出超過になる。
北川 そうです、そうです。
茂木 男女のコミュニケーションの機微って、かなりビジネスに通じるものがあると思う。
北川 それで思い出した話があります。ハーバードのファイナルクラブってご存知ですか? 映画『ソーシャル・ネットワーク』にも出てきた、エリートが集まる学生団体です。「フェニックス」や「ポーセリアン」など8つの組織があって、それぞれ独自の規律を持っています。入会希望者は、七面鳥を1週間飼う、真冬に外で裸になるなど、いろいろおかしな試練を耐え抜くのですが、その最終試験の一つは女性をエスコートすることなんです。