Q.荒岩家のぜいたくな節約生活とは?

衣食住のうち料理にはお金を惜しみなくかける荒岩家でも、洋服や住まいなどは質実剛健な暮らしぶりだ。洋服は15年同じスーツスタイルを貫き、いつも変わらず安心感を与えるような服装である。そして、住まいも和室の3DKアパートから3LDKの平屋の借家暮らしでかかるお金も節約。「無理せず節約、使うところには使う」というスタンスから少し異変が起きている。2008年のリーマンショック後の不況だというのにバブル期よりもお金を使っている疑惑が浮上しているのだ。そのワケとは!?

A.思い切って予算を割く「食」に対して「衣」「住」はお金をかけずに節約。バブルの時代に慎ましかった荒岩の貯蓄が、いま、火を噴く!

以前紹介したように、食の分野にこだわりのある荒岩家は、エンゲル係数はやはり普通の家庭よりもやや高めと推測できる。

なにせ、冷蔵庫にトリュフとフォアグラがストックされているのである。

なん度も出して申し訳ないが、荒岩の衝撃のひとこと©うえやまとち/講談社


それとくらべてずいぶん質素なのが、荒岩家の住環境である。

荒岩は地元の商社・金丸産業の営業マン、妻の虹子は地元の新聞社ニチフク新聞のベテラン新聞記者。ふたりとも働き盛りで第一線で活躍しているところを見ると、同世代の平均的な夫婦と比べても収入はかなり多いほうなのではないだろうか。

そんな夫婦と長男まことが住んでいるのが、このなんとも昭和の香りの漂うアパート。


なかなか年季の入った外観、バルコニーはなし©うえやまとち/講談社


アパートの一階右側部分が荒岩家©うえやまとち/講談社

他の住人は荒岩と同世代のサラリーマン夫婦(妻は専業主婦)、大学生の兄弟、おそらく年金暮らしの老夫婦である。ファミリーむけ物件ではあるけれど、だいぶリーズナブルな感じの住まいだ。間取りはおそらく3DK、部屋は全て和室。広さは充分だが、荒岩家の収入にしては、ちょっと質素すぎるような住まい。おそらく荒岩と虹子は就職してわりとすぐに結婚し、子供を持つのが早かったため、若いときに広くてリーズナブルな物件を借りてそのまま11年以間住み続けていたのだろう。

これは安物件に限界まで住み続けるという超シンプルな節約術なのかもしれない。


第一の荒岩家のアパートとついにお別れ©うえやまとち/講談社

さすがにふたり目の子供が生まれてからは手狭になっため、荒岩家はとうとう一軒家に引っ越す。

「おお、安アパートに住んで貯めに貯めた頭金で新築か!」と思いきや、そうではない。

引っ越した先は元々住んでいたところから10mも離れていないところにある3LDKの平屋の借家である。

しかも「いや~どうしても狭くなっちゃって、探してたんだけど近所にいいところがあってラッキー」くらいの行き当たりばったりな家探し。

料理のことはあんなに念入りなのに、家のことになると計画性のない荒岩家なのだ。

地方都市在住の荒岩くらいの世代(現在45~60歳・クッキングパパは我々の住む世界よりも時間が経つのがゆっくりなのでこのようなねじれが起きています)の高収入の夫婦の場合、30代~40代で郊外に2階建ての一軒家、または街の中心地に近いところのマンションを購入することが多いのではないだろうか。荒岩の部下のけいこちゃん夫婦も、30代で建て売り住宅を購入している。にもかかわらず荒岩はこのとき(おそらく30代半ば)から現在(おそらく40代半ば)までこの借家に住んでいる。

家を買おうと思えば買えるはずなのに、質素な住環境にこだわるのはなにか理由があってのことなのだろうか……。


新しい住まいも極めて庶民的©うえやまとち/講談社

君は15年間同じスーツを着れるか……あえての「ナメられファッション」がサクセスの秘訣!?

もうひとつ、不自然なまでに質素なのが荒岩と妻虹子の仕事ファッションである。

荒岩の仕事時のファッションは信じられないことに彼らは約15年間(クッキングパパの世界では時間の流れにねじれが生じているので、連載は30年間続いているが)同じスーツを着ているのである。

荒岩は青いスーツに黄色・赤・黒のチェックのネクタイ。


1986年の荒岩©うえやまとち/講談社


2011年の荒岩。小学生だった息子が成人しても荒岩のいでたちは変わらず©うえやまとち/講談社

虹子は黄色というか黄緑のスーツに茶色いチェックのシャツ。

残念ながら下の画像は、服が変わっていないということ以上にダサッ……もとい着こなしのオリジナリティが突出しているという点が目立ってしまっているが、いまはそこには目をつぶっていただきたい。


1987年の虹子©うえやまとち/講談社


2014年の虹子。ベストと靴のことには触れないであげてください……!©うえやまとち/講談社

ともかくふたりとも、仕事のときの服装は「これ」と決めて変えないようなのである。

とはいえ服は15年も経てば流行も自分に似合う服も代わっていくはず。荒岩は営業マン、虹子は文化部の新聞記者であり、自分が表に出て行って働く仕事。あんまり時代遅れな服装だとナメられたりしないかな……? と思ってしまうが、荒岩は取引先社長など年配の方を相手にすることが多く、虹子は山奥の村など、辺鄙なところの祭りや行事の取材に行くことも多い。都会的にお洒落でこぎれいにしているよりも、いつも変わらず安心感を与えるような服装であることが重要だと割り切っている可能性もある。流行遅れになってもあえてちょっとダサめのスタイルを変えない、それが荒岩夫婦のスタイルなのかもしれない。

こうして、住まいやファッションにかかるお金は節約傾向にある荒岩家。

レジャーに関しても、新聞記者の虹子がかなり忙しいということもあって普段はピクニックに行ったり釣りに行ったり、近場であまりお金をかけずに楽しんでいる様子だ。

とはいえつねにケチケチしているわけではなく、荒岩とまことは「アラスカサーモンフィッシングツアー」に参加したり、チャンスとあれば海外にレジャーに行くことある。レジャーに関しても普段は質素に、でもお金を使うときには使う、という具合にメリハリをつけているようだ。



貴重な体験ができるとあらばボーナスを突っ込むことも辞さず©うえやまとち/講談社

荒岩、完全に貯め込んでいた!!!

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クッキングパパの謎

澁谷玲子

開始から30週年を迎えた『週刊モーニング』の人気連載『クッキングパパ』。ガッチリとした体型としゃくれたアゴがトレードマークの無骨な九州男児・荒岩一味が織りなす、身近な素材を作って作った絶品料理の数々に、ヨダレを垂らしながら読んだ読者も...もっと読む

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コメント

1003000 読みたくなってきた  約4年前 replyretweetfavorite

r_mikasayama 今の時代から見ると初期荒岩家の生活の慎ましさに驚くけれど、最近の荒岩家の勝ち組っぷりにも注目です【クッキングパパの謎】 約4年前 replyretweetfavorite