医療コストが日本より断然高いアメリカ
そろそろインフルエンザが流行りだす季節なので、今年も予防接種を受けてきた。
しかも、病院ではない。薬局チェーンのCVSで、買い物のついでにだ。以前は病院で受けていたのだが、予約が必要なので面倒になり、昨年から薬局を利用するようになった。
アメリカでは医療保険に入っていたらインフルエンザの予防接種はたいてい無料で、低所得で保険に入れない人に無料で予防接種を提供するシステムやチャリティも各地にある。
なぜ予防接種でこんなに厚遇されるかというと、接種を受ける人が多くなればなるほど、大流行を予防できるからだ。
インフルエンザが大流行すると、免疫性疾患などの理由で接種できない人が感染の危険にさらされることが増え、二次感染で重症の肺炎になる人も増え、ER(救急治療室)が混んで命にかかわるケースへの対応が遅れる事態にもなりかねず、病院、保険会社、国全体の医療費がかさむ。
そして、学校閉鎖になると、親は会社を休んで子どもの面倒をみなければならなくなり、疾患と子守で社員の多くが休むと企業の損失も高くなる。
最初からそういう事態を起こさないために、予防のほうにコストをかけるという、極めて論理的かつアメリカ的な対策なのである。
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