親の老いと向き合う

最近は男性も女性も平均寿命が伸び、子供が成人する頃には親の介護を考えなければならない時代になりました。どのように最期を迎えるか。両親が身をもって教えてくれる、人生最後のレッスン。親の老いをしっかり受け止めましょう。延命治療を受けるか、尊厳死を選ぶか、そうしたことを早めに親と話し合っておくとよいでしょう。

親の老いとどう向き合うか

親と子の、最後の人生レッスン

 子どもが一人前の社会人となり、家を巣立って行くころ、今度は両親の「老い」や「介護」「看取り」が視野に入ってきます。
 人生の最終楽章はいかにあるべきか。両親が身をもって教えてくれる、最後のレッスンですから、しっかりと受け止めましょう。
 魂は経験を積み、磨かれることで、転生するたびに霊界の高みへ上っていくと考えられています。しかし現世で長年働いた肉体は日々老いて、体力、気力、集中力、根気などは目に見えて衰える一方。そのため高齢になるにしたがって、人づき合いや外出を億劫がり、身なりにも構いません。おまけに偏屈、我がまま、短気……。やれ腰が痛い、血圧が高い、トイレが近い、眠れないなど体調に関する愚痴につき合わされることもしばしばです。
 昔の頼もしくダンディだった父の、あるいは優しくオシャレ上手だった母の姿を懐かしむ子どもとしては、どうしても欠点ばかりに目がいってしまい、切なさに胸がふさがります。反対に、親の愛を満足に得られず、今も葛藤を抱えている人は、嫌悪を感じるか無関心でいる傾向が強いようです。

 超高齢化社会を迎えた日本人の平均寿命は、女性が86・61歳で世界一、男性の80・21歳も第4位と、共にトップクラスになりました。しかし、寝たきりで介護を受ける必要も、長期間の入院治療も必要とすることのない「健康寿命」は、女性74・21歳、男性71・19歳(共に2013年)。そのギャップは非常に大きなものがあります。
 脳卒中の発作を起こし、手足の麻痺など後遺症が残る。転んだはずみに、骨粗鬆症でもろくなった脚の付け根の骨を折り、そのまま寝たきりになる。認知症の症状が出始めて、1人にしておけない。要介護認定を受けた人は2014年の秋には600万人を超えており、親の身にいつ、何が起こってもおかしくはありません。
 介護は肉体的にも精神的にも経済的にも、非常に大きな負担となります。しかも、介護される側=親は体が不自由な「弱者」ですから、それまでの親子関係の本音が表れる。幼いころ親に叩かれたり、放置されて育った人は、苛立ちに任せて親を虐待してしまうでしょう。ここでも「負の連鎖」が起こるのです。
 でも、その正反対の姿もあります。たとえばマザー・テレサのような修道女(シスター)たちは、病気で倒れた人や、誰からも世話をされないような人々を引き取って看病しました。皆様のおかげで私たちは「神の愛」を実践することができる、という感謝の念を込めて世話をしたのです。
 私たちも、介護を親に恩返しができる絶好のチャンスだと受け止められたら素敵です。

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生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる』

池川明

36年、出産という命の現場に立ち会ってきた池川先生。そこから見えてきたのは、誰もが幸せになれるヒントです。 あなたも、不幸の連鎖から抜け出せるかもしれません。

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コメント

wackosato 泣ける。本当にそう。 3年以上前 replyretweetfavorite

Chi3uki |『生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる』 私は若い頃あれこれあったせいか今は逆に介護ドーンと来い!なんだけど50前に親に恨み爆発姉みてると最後のレッスンどころか…と刺さる https://t.co/XPbzrkTfNs 3年以上前 replyretweetfavorite

sizukanarudon 池川明 https://t.co/Adh8BVz4jk どのような終末期医療を望むか話し合う。希望に応じて「尊厳死宣言書」を作成する。 傷病が現代の医学では不治の状態で、死が迫っているときは、延命措置は断る。ただし、苦痛を和らげるための措置は、最大限希望する。 3年以上前 replyretweetfavorite