なにごとも悪い方へ悪い方へと考えて、自分を追いつめてしまう人。人間関係の悩みを、全部一人で抱えてしまう人。そんな生きづらさと、不幸の連鎖から抜け出してほしいと、産婦人科医の池川明先生は最新刊『生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる』の筆をとりました。
生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる - 胎内記憶・前世記憶研究でわかった幸せへの近道(中央公論)
普段は妊婦さんやママたちを中心に読まれている池川先生の著作ですが、本書は発売後間もなく、アマゾンの部門別1位に! また、講演会での売上げも今までで一番多いとか。それだけ、生きづらさを感じている人が多いという証なのかもしれません。
池川先生は医師として赤ちゃんの誕生と成長に立ち会い、今年で36年。何より衝撃を受けたのは、幼い子どもたちが、お母さんのお腹にいた時の様子や、生まれる前に過ごした雲の上の世界、さらにもう一つ昔の「過去生」ついても語ってくれたことです。そこからわかったのは、人が生きる本当の意味。
「内なる魂の声に耳を澄ませば、幸せへの道筋がきっと見えてきます」
幼い子どもの3割に胎内記憶が
—— この本を作っているとき、池川先生に帯の言葉を誰にいただくかご相談したら、面識のある鈴木おさむさんを推薦くださいました。お忙しいなかご快諾いただき、ちょうどゲラをお送りして、読んでいただいている間にご長男「笑福」くんが生まれて。すごいタイミングだと思いました。
池川明(以下、池川) 鈴木さんはその後「育メン」ならぬ「父勉」に入られたとか。たくさんお子さんと接して、時間を過ごしていただきたいですね。
—— 赤ちゃんが、お母さんのお腹の中にいたときのことを覚えている——。先生がアメリカの研究に触発され、「胎内記憶」の研究を始めたのは1999年でしたね。
池川 当初は私自身、半信半疑でした。医学部では「新生児に物を考える能力はない。視力も弱くて白黒しか判別できない」と習ってきましたから、ましてや胎児にエピソードを記憶する能力があるなんて……。でも患者さんや近隣の保育園にアンケートをお願いしたところ、半数近くのお母さんが「あるある」と具体的な証言をしてくれました。それを基に学会で発表したところ反響を呼び、マスコミからも取材が舞い込む。すると視聴者や読者からさまざまなデータが集まって来る。2003年の大規模調査では、最終的に1620人の回答が得られ、3人に1人の割合で胎内記憶があるという結果がでたのです。
—— 私は昔『ベイビー・トーク』という映画を観たことがあって、受精する前や、ベビーカーに乗った赤ちゃんたちが、一人前にしゃべるのが面白くて印象に残っていました。なので、先生の胎内記憶のお話を伺ったとき、すんなりと受け入れられたのかもしれません。
池川 赤ちゃんが何もわからないと思っているのは大人だけで、きちんと理解力もあるし、問いかければ答えてくれると、私は診察や分娩を通じて感じています。
—— 昨年話題になったNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』でも、「胎内記憶」のことが出てきて、ネットなどでも話題になりましたよね。
池川 息子さんが5歳で亡くなってしまい、花子は後追い自殺するのではないかというくらい悲嘆に暮れていた。でも、息子さんが生前「自分はお母さんを選んで生まれてきた」と語っていたことを他人から聞いて立ち直り、文筆の仕事に打ち込むことができたとか。
—— 「そんな非科学的なことは絶対に信じない」という妊婦さんでも、いざとなるとお腹の赤ちゃんに熱心に話しかけている。「お腹に紐がついていて、振って遊んだ」「キックとかパンチとかいっぱいした」なんて子どもたちの声もありました。しかもおへそを通して、外の風景まで把握できるとか。
池川 人知を超えた不思議なことが、この世界にはあるのかもしれないと思うだけで、心は豊かになります。そして、本当かどうかではなく、実はそのことによって、行動にも少しずつ変容が起こるんです。本書にも掲載させていただいた男の子の記憶絵と、お母さんのお話をご紹介しましょう。
楽しそうに絵を描き始めた息子(7歳)。
「ぷぷぷランド」なるものをかき、ここでは星を好きな形につなげられたんだ~♪楽しかったなぁ、また行きたいなぁ…♡
絵が完成する頃に聞いてみると、
これはなに?(絵の真ん中) → 「地球だよ」
これは?(絵の左) → 「ぷぷぷランドは、木星、楽しいところ」
じゃぁこれは? (絵の右) → 「これは土星。土星からは直接地球には行けないの。木星からはたくさん地球につながる橋みたいのがかかってる。見えないけどね~♪」
息子は地球に来るのがまだ3回目?位らしく、「地球は学校みたいなもの、何でも楽しむ学校だよ」と言っていました。
どこからきたの?ときくと、「宇宙」と必ず答えます。宇宙のどこら辺?ときいたときは、「うーんと、遠いよ、銀河。」と答えてくれました。「宇宙では、地球の周りを何回も猛スピードで回ったり、飛んでくる惑星をひょいとよける遊びをしていた。面白かった~。」そうで、ぶつからないの?ときくと、
「大丈夫、俺たちすごい速いから!あ、でも、本当にぶつかりそうなときは、神様がひょいっとしてくれて、ぶつからないよ。」
とのことでした。宇宙では体はなく、手のひらで包まれるくらいの光のような存在だそうです。