ドイツビールは日本の大先輩
ビールと言えばドイツ、ドイツと言えばビール。あまりビールに興味がない人でも、ドイツはビールで有名だというイメージを持っていると思います。
その理由は、日本のビールがドイツをお手本にしてきたから。ドイツは日本にとってビール造りの大先輩なのです。
「『とりあえずビール派』のビール観を変える6つのビール専門店」でも書いたように、日本の大手ビール会社が造っているビールの多くは、ピルスナーというスタイルのビールです。ピルスナーの発祥はチェコのピルゼンなのですが、それがドイツに伝わって発展。日本はそのドイツから技術者を招いてビール造りを始めました。
日本のビール黎明期の明治時代に、大手ビール会社がドイツ人の技術者を招いて学んだように、地ビールブームの際に創業した醸造所でも、ドイツの技術を学んだ醸造所が多くあります。日本のビール文化はドイツに学んだことが多いのです。前回まで、いま世界で流行しているアメリカ、ベルギーのビールを紹介してきましたが、やっぱり日本の大手ビールが一番だ、と思う人は、ドイツビールを飲んでみるといいでしょう。
なぜなら、ドイツビールは何杯でも飲み続けられる(ドリンカビリティが高い)ビールだからです。
ドリンカビリティ抜群の5本+α
なぜドイツビールはドリンカビリティが高いのかというと、ドイツには「ビール純粋令」という法律があるからです。簡単に言うと、ビールは麦芽100%でないといけないという法律です。ベルギーのようにオレンジピールなどを使ったものはビールと認められません。
この法律が制定されたのは1516年ですが、その当時はいろいろな原料をまぜた粗悪なビールが出回っており、品質を維持するために制定されたという背景があります。現在でもドイツ人はこの法律に誇りを持っており、ドイツビールの品質が保たれているのです。今回は、そのドイツの技術力、品質、ドリンカビリティが抜群のビールを紹介しましょう。
1本目「ピルザール」
ピルザールを造るプランク醸造所は、小さな村で400年近く続く家族経営の醸造所ですが、そのクオリティは世界トップクラスです。あのビール世界一を決めるワールドビアカップで、小規模醸造所部門のチャンピオンに2度輝いています。ピルザールはピルスナーで、ホップを通常のピルスナーよりも多めに使用しており、苦味とさわやかさを強めに感じますが、麦芽の旨味とのバランスが抜群です。
ただ、難点としては、どこにでも置いてある銘柄ではないということ。その理由は、しっかりとした温度管理ができる酒屋、ビアバーにしか置かないという醸造所とインポーターのポリシーがあるからです。輸入量もそれほど多くないため、いつどこで飲めるとは言えないのですが、見つけたら必ず飲んでみてください。間違いありません。
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