理想の学校をつくるために

「厳しくも励まし合える雰囲気のある学校」を目ざして、まずは議論が始まった。

 一仕事終わったあと、僕は一度アメリカに帰り、そのまま12月はアメリカで過ごした。12月11日には弁護士から「法人設立、無事完了!」との知らせがやってきた。

ついに最初の基盤ができた! 嬉しかった。
 フィリピン人のスタッフからは、進捗や質問が送られてくる。中西くんも元気そうだった。やがて12月末が来た。中西くんは年末に日本に戻るという。

「中西くん、日本に戻る前に、フィリピン人スタッフに給与を払ってもらえるかな?」

「払いたいのは山々なんですが、ちょっと無理かもしれません……」

「えっ、なんで?」

「お金がないんです。日本からの送金が滞っていて……」

 そういえば僕も契約の時に送金が滞ってアップアップしたっけ。フィリピンの銀行は「ここぞ!」というときに、当てにならなかったりする。

「お金がないって、どのくらいないの?」

「僕、昨日からなにも食べていないんです」

「!!」

 さて、一体どうやってスタッフに給与を払おう? いろいろと調べた結果、Western Unionで送金するのが一番確実そうに思われた。初めてだったが、やってみたら意外なくらいスムーズで、少額の送金には、かなり使えることがわかった。

 中西くんはその後、二日ほど腹を空きっ腹で過ごしたあと、無事に日本へと帰っていった。あ、中西くんにも送金してあげればよかった。失礼失礼。

1月

やがて年が明けた。1月5日には工事が始まる予定になっている。ところが、工事開始が10日以上も遅れると連絡があった。現在入っているテナントの撤収が手間取っているという。先行きが思いやられた。ただ、これはモール側の責任なので、完成予定を10日間後ろにずらしてもらうことで対応できるだろう。

 1月に入ったらすぐにフィリピンに行こうと思っていたのだが、それは叶わなかった。1月はセブで「Sinulog(シヌログ)」という大きなお祭りがあり、ホテルも飛行機もいっぱいだったからだ。そこで次の渡航は1月の下旬と決め、その間、僕は、英語の教授方法を徹底的にリサーチした。ESLや小学校で使われている教材を片っぱしから物色し、自分の子供たちが小さかった時にお世話になったESLの先生の話なども聞きに行った。

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フィリピンで起業しました

松井博

2015年6月6日、フィリピンのセブ島にて英語学校を開校しました。起業への思いや、設立までの「フィリピンあるある」などなど、思い立ってから9ヶ月間の足取りを綴っていきます。

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コメント

Matsuhiro いよいよ法人化も終わり、次はカリキュラムの策定。気づきの多い時間でした。 4年弱前 replyretweetfavorite