第15回】犬の命(前編)

この「海とわんことビジネスと」の連載、うちのわんこ「くぅぽん」(♀)の散歩で出会った海関係のビジネスを取材するのが基本なのですが、今回はちょっと海やビジネスから離れて「わんこ」の話をさせてください。

私と犬との付き合いは小学校低学年の時代にさかのぼります。
ある年、隣の家の物置で飼われていた黒い犬「チビ」が妊娠して、子犬が7匹生まれました。私は日頃からチビとは仲良くしていたのですが、妊娠後チビは警戒心が強くなり、特に子供が産まれてからは近づくと極度に警戒して唸ったりするので、ネズミくらいの大きさの黒い赤ちゃん犬たちのことは、チビを刺激しないように遠くから見守っていました。しかし、子犬たちは最初は元気に跳ね回っていたのですが、栄養も十分じゃなかったんでしょう、足を骨折して体が衰弱したりしてなんと7匹全てが死んでしまいました。母親のチビは、子供を他の者に渡したくないという本能なのか、はたまた少しでも栄養を取ろうということなのか、子供が死んだ都度、一匹ずつ全部食べてしまいました。子供の私は、「犬というのは自分の子供を食べてしまうものなのか」と非常に驚いた記憶があります。

チビは次の出産で、今度はクリーム色の犬を3匹産みました。こちらも最初から元気があった2匹は骨折したりして死んでしまいましたが、逆に、最初は元気がなく、おとなしくて、お母さんにずっとくっついておっぱいを飲んでいた1匹のメスの子犬だけが結果として元気に育つことになりました。「勢いがよさそうに見えるものが最後まで生き残るとは限らない」というこのケースは、その後の私の人生観にそれなりに大きな影響を与えた気がします。

我が家はどちらかと言えば貧しかったですし、それまでも何度か捨てられていた子犬や子猫を家に連れて帰って、母親に「うちでは飼えないから元のところに戻して来なさい」と叱られていたので、母親が、隣のそのクリーム色の子犬を貰い受けてきた時にはえらくびっくりしました。「散歩をしたり、ちゃんと育てるのを手伝えるなら飼うけど、どうする?」と聞かれて、妹と2人で喜んで世話をすることを誓いました。

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海とわんことビジネスと

磯崎哲也

わんことともに海のビジネスの追っかけをする「海とわんことビジネスと」。ビジネスの大海を渡ってきた磯崎哲也氏が、愛犬のくぅぽんとともに、ビジネスと海の魅力を語ります。(毎週更新)

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