今は亡き母への思い—「あわい 仲田絵美写真展」

現在、東京・田端にあるギャラリー「OGU MAG」では「あわい 仲田絵美写真展」が開催しています。「泣ける」「笑える」といった感情を表す言葉で評されることが少ない「アート」という存在。しかし、この仲田絵美の写真作品からは、幼いころに亡くなった母親への彼女の思いが感じられ、激しく涙腺を刺激されます。この機会に本展覧会を訪れ、アート作品に感情を揺さぶられる体験をされてみてはいかがでしょうか。

「これは泣ける!」

という言葉、このところ映画や小説の煽り文句でよく見かけますよね。たしかに泣くにしろ笑うにせよ、作品に触れて直接的な反応が自分のなかに生まれるというのは、なんとも楽しいことです。

ふと、おもいます。そういえばアート作品で、「泣ける!」「笑える!」「驚きと恐怖の連続!」などと惹句がつくものは、あまり見かけないですよね。なぜなのでしょう。

アートは気取った気分に浸れるものであって、触れたからにはもっと高尚な気分にならねばならぬといった先入観があるのでしょうかね。もしくは、ストーリーが明確な映画や小説にくらべて、アートは抽象的な印象を受け取ることになりがちなので、喜怒哀楽といったはっきりした感情につながりづらいのかもしれません。

それでも、たまには出合うのです。気持ちを大きく揺さぶられ、直接的な感情を強く喚起させられる作品に。そんな展示が、東京・田端にあるギャラリー「OGU MAG」で催されております。「あわい 仲田絵美写真展」です。

仲田絵美は、2010年代に入ってから精力的に作品を発表し続けている写真家です。ちょうど写真集『よすが』(赤々舎)が刊行されたばかりで、それに合わせて個展も開催しているのです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

ケイクス

この連載について

初回を読む
アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

monokirk 田端で、仲田絵美さん@nakataemi の写真展見てきた。展示でも写真集でも良い雰囲気。写真集の小口の、ざくざくした感じが家庭用アルバムをちょっと思わせる。 5年弱前 replyretweetfavorite

reading_photo 【News】cakes更新しております。どこより早い展覧会案内——アート・コンシェルジュからの便りにて、 5年弱前 replyretweetfavorite