人生は「受け身」で生き延びよう—vol.3

ギリギリのところで戦いつづける「プロレスラー」という職業。肉体の限界に耐えるだけでなく、客席からのブーイングにもさらされていた棚橋弘至選手をすくった、マッサージのおばちゃんの言葉とは? そして、プロレスラーでなくとも役立つ「人生の受け身」という考えかたとは? 新日本プロレス・棚橋弘至選手の人生哲学が詰まった新刊『全力で生きる技術』の刊行を記念したcakes独占インタビュー。聞き手はプロレスキャスターの三田佐代子さんです。

姫路のおばちゃんに教えてもらった、プラス思考の上位概念

— いつも思うことなんですけれど、プロレスって、相手を信頼していないとできないものですよね。自分は相手の良さを受け止めるし、自分の良さは相手が受け止めてくれると信じる。

棚橋弘至(以下、棚橋) その通りです。

— プロレスを長年見ていても、どうして相手にそこまで“委ねられる”んだろうと思うんですよね。かなりの勇気がいることだと想像するんですが。

棚橋 だからこそ、そこにプロレスの醍醐味があるんですよね。これはあるアメリカのレスラーが言ったことですが、プロレスは、「終わった後に自分の足で歩いて帰らないといけない」ものなんです。もちろん相手のことも歩いて帰させなきゃいけない。相手に深刻なケガをさせない、ギリギリのところで勝つ。それはお互いに“委ねて”いないとできないことだし、それがプロレスの美学であり、良さなんだと思います

— そういうギリギリのところを見つめているプロレスの美学を、私たちも人生に何か活かすことができるんでしょうか。日々戦いに生きているプロレスラーと自分たちは違う、と思ってしまう人も多いと思いますが。

棚橋 本の中でも書きましたけど、「受け身」という考え方とか、受け身を取る勇気は人生に絶対活かせると僕は思っているんです。だから、もっと色んな人に知ってほしいんです。僕は、プラス思考の上位概念として、「相手の全てを受け入れる」という考えかたがあると考えています。

— それはプラス思考というか、ポジティブシンキングとはどう違うんですか?

棚橋 ポジティブシンキングっていうのは、ある意味、起きたことをそのまま受け入れずに、違う方向に考えていくことじゃないですか?

— たしかにそうですね。

棚橋 そして、それだけでは解決しないこともある。前の本『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えられたのか』にも書いたエピソードですが、これは僕がブーイングを受けまくってちょっとしんどかった時期に、姫路のホテルの、マッサージのおばちゃんに教えてもらった考え方なんですよ。

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人生に疲れない技術—棚橋弘至インタビュー

棚橋弘至

野球の道の断念、2度の入門テスト不合格、業界全体の人気低迷、意識不明の重体……何度も挫折と失敗を繰り返しながらも自らを「100年に一人の逸材」と呼びつづけ、新日本プロレス「奇跡のV字復活」の立役者となったプロレスラー棚橋弘至選手。その...もっと読む

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コメント

porpor35 「トレーニングって、今日やった結果が明日すぐに出る、というものではない」→ 2年以上前 replyretweetfavorite

rage_30 「受け身」=「相手の全てを受け入れる」か、深いな~。 2年以上前 replyretweetfavorite

sizukanarudon 人生は「受け身」で生き延びようーvol.3 棚橋弘至@tanahashi1_100インタビュー https://t.co/xnuKoOlXOr プロレスを知ると、人生で「受け身」がとれるようになる 僕の周りのプロレスファン、人生で受け身が取れなくて卑屈になってる人ばかりだけど… 2年以上前 replyretweetfavorite