株式投資とは、日経平均の先行きを占うギャンブルではありません。売買のタイミングを相場の方向性ではなく、「成長する会社を見極めて」決めるのが投資の本質です。
しかし、成長する会社を探すこともまた簡単ではありません。
なぜならば、「会社はグチャグチャ」で「社長は噓つき」だからです。
投資が難しいのは「会社はグチャグチャで社長がウソつき」だから
では、どうすれば「成長する会社」を見つけることができるのでしょうか。
原則として私は、社長に会って、投資をするかどうかを決めています。私が知りたいのは「トップに立つ経営者がどのように現状を認識し、どんな経営戦略を持っているか」です。
会社の成長は、大部分は、社長で決まります。経営理念やビジョンを話すときに目を輝かせる社長は、信頼できます。トップが情熱を傾けない事業に、成功の芽はありません。
ところが困ったことに、社長に話を聞いたからといって、必ずしも会社の真実が聞き出せるわけではありません。私はこれまで、約6000人の社長に会ってきましたが、上場を果たした社長には、ある共通点があります。それは、「社長は、白い噓つきである」ということです。
「白い噓」とは、ついてもいい噓のことです。
ついてはいけない噓は、違法性や悪意があるものです。たとえば、結婚する気がまったくないのに、「結婚しよう!」というのは、ついてはいけない噓。「黒い噓」です。
一方で、どうしても結婚したい相手がいて、その人に「絶対幸せにするよ! 結婚しよう!」というのは、ついてもいい噓(白い噓)です。プロポーズをするときに、「幸せにしたいと思っているけど、そうはならない可能性もある。夫婦の30%は離婚するというデータもあるので、確率で考えると、もしかしたら離婚してしまうかもしれない。けれど、あなたとは70%の確率でずっと一緒にいられるよ!」と言ったとしたら、どうでしょうか。理屈はそうだとしても、女性は「NO」と言うでしょう。「そこは言い切ってよ!」と。
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