SmartNews藤村厚夫「読者はどうやってコンテンツと出会うのか?」

ニュース閲覧アプリ「SmartNews」の執行役員である藤村厚夫さんのインタビュー第2回。コンテンツやメディアをビジネスにするときに、まず重要なクエスチョンは「どうやって読者はコンテンツと出会うのか」であるという藤村さん。テクノロジーで読者とコンテンツのマッチングを解決した先では、どのようなビジネスモデルを模索しているのでしょうか。

SmartNews炎上の渦中、最初は謝り役みたいな感じだった

加藤 前回は、アスキーを辞め、@ITを立ち上げ、その後、ITmediaと合併するまでの経緯とお考えを伺いました。ITmediaをお辞めになったときは、現在のSmartNewsに入社することは決まっていたのですか?

藤村 少しブランクがありました。自分でも起業したい気持ちもありましたし、しばらくの間は新しいメディアビジネスのありかたについて、ビジネスモデルの仮説を考えていました。
 そんなときに(SmartNews)会長の鈴木健との出会いがありました。彼はそこを突き抜けようとしていましたし、会社の中には自分が起業するときに必要だと思っていたファクターがそろっていました。それで短い期間かもしれないけれどお手伝いしながら自分も学ばせてもらうという感じで入社しました。入社したのが2013年の4月からですから、2年ちょっとになりますね。

加藤 今はどんな部門があって、どのくらいの人数でやっているのか伺うことはできますか?

藤村 もちろんです。日本のメンバーは2015年8月現在40人程度で、そのうちエンジニアが20人以上、ビジネス部門が10数人、残りは総務や人事などのコーポレート部門です。サンフランシスコとニューヨークにもオフィスがありますが、そちらのメンバーはあわせて10名弱です。

加藤 たしか編集の人はいらっしゃらないんですよね。SmartNewsで藤村さんが担当しているのは、どのようなことなのでしょうか?

藤村 SmartNewsはいろいろな媒体さんで作られているコンテンツを使わせてもらっているのですが、ぼくは各媒体さんに対して、我々がやりたいこと、ご一緒できるとどんなメリットが提供できるかということをご説明して提携を結ぶという役割です。

加藤 つまり、メディアとの窓口として間に立つアライアンス担当ということですね。

藤村 そういうことです。SmartNewsは、コンテンツを選び、どのような読者に向けて発信するかということに関しては、オートマチックに決められる仕組みを持っていますが、そうは言ってもコンテンツを作る生身の人たちがいらっしゃるわけです。
 メディアの方たちとビジネスという観点や信頼性という面でエンゲージしないと、長期的に良いコンテンツを使わせていただくポジションに立てません。

加藤 藤村さんがSmartNewsに入った頃はちょっと……。

藤村 ええ、いわゆる炎上をしていました。

加藤 SmartNewsが他社のニュースを自動的に収集して配信することについて、「テック野郎たちがメディアを蹂躙している」という認識をされていたと思います。そこで藤村さんが入社されて、メディアと仲良くしはじめた。

藤村 SmartNewsは、けっして媒体さんが作ったコンテンツを使ってダーティーなビジネスをしようとしていたわけではありませんでした。なにせ、ぼくが参加するまで2~3人でやっていたわけですから、媒体さんにそれぞれご挨拶して、ご説明して……なんてことが追いついていませんでした。
 ただ、やろうとしていることはWin-Winの仕組みを創りだそうということでしたので、そこをちゃんと説明できるように社内の体質も体制も整備してもらうと同時に、ぼくがお話をしにいく役割を担ったということですね。

加藤 みんなにボロクソ言われたりしませんでしたか?

藤村 言われましたね。最初は謝り役みたいな感じでした。

加藤 でも、テクノロジー企業の発展の経過は、そういうパターンが多い気がします。

藤村 そうですね。Google、Apple、Amazon、マイクロソフトなどの外資はまさに黒船だったわけです。彼らがやってくるときは、ある種のパラダイムの移行もある。一方、迎える側はそういうプラットフォームとコミュニケーションができないわけです。わけのわからないテクノロジー野郎がやってきて、「こういう仕組みでどうだ?」みたいなことを言ってくる。
 SmartNewsにしても最初はコミュニケーションの仕方が良くありませんでした。相手を懸念させることもあったので、そこはお詫びして、我々の仕組みをご説明しました。たとえば、新聞社さんに対しては、SmartNewsが若者にコンテンツを届ける橋渡しになります、将来の購読者との接点を作り出すという意味でも価値があります、という話をそこかしこでしてきました。

加藤 すぐに理解してもらえましたか?

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muku_dori_ 「現場の方たちはみんな悩んでいた」「デジタル化で悩み、デジタルがどうにか動き出したと思ったら今度はモバイル」「新しい情報も知りたいし、コストをかけずに新しいトレンドに適応したい。そういう問題意識を持っている方には理解していただけたと」https://t.co/fiURkXVWSC 4年以上前 replyretweetfavorite