「充実したメディアの世界観」VS「快適なモバイルでの閲覧体験」
加藤 SmartNewsのダウンロード数は莫大な数になって、読者とコンテンツをマッチングする場として力を持った。とてもすごいことだと思います。でも、ちょっと懸念があるんです。
藤村 なんでしょう。
加藤 Yahoo!のニュースも似てますが、SmartNewsのようなコンテンツを集約する場所が力を持てば持つほど、メディアごとの世界観がなくなってしまうということはありませんか?
藤村 ああ、それは難しい問題です。
加藤 メディアというのは、それぞれの個性や世界観を活かしたまま、コンテンツを出していきたいものだと思うんです。たとえば、『Number』や『GQ』、『VOGUE』、などは、自分たちの世界観にものすごくこだわってサイト全体で作っています。
これを集約してしまうと、メディアの個性を台無しにして、ただの個別の情報にしてしまう危険性がありますよね。
藤村 とても興味深いし、本当に重要なテーマだと思います。まず、ぼくたちは媒体単位でのチャンネルの作り方も提案しています。「チャンネルプラス」と呼びますが、そこは一つの媒体が持っているコンテンツで占められますので、その媒体のブランドに沿った見方をご提供できます。
ただ、SmartNewsの小さな画面では、世界観みたいなものを出すには足りないかもしれません。もう少しぼくらが考えていることを言うと、読者は二つの価値観を持っていると思うんです。