弱冠33歳にしてアフリカで50もの会社を経営し、年商300億円を稼ぎ出す日本人実業家がいる。沖縄出身の金城拓真さんだ。前身は、「プータロー」。商売敵に命を狙われ、無実の罪で刑務所に放り込まれ……。25歳でアフリカに渡りすでに8年もたつというのに、英語もスワヒリ語も話せない。奇想天外な事実が続々。はみ出すにもほどがある。
“落ちこぼれ”が数千万円を手に!
金城さんの高校時代の目標は公務員になること。理由は「定時に帰れるから」だった。
「でも落ちこぼれだったので国立大学には入れず、私立大学に行く金銭的余裕もない。日本には、安くて、自分の学力でも入れる大学がなかった。そうしたら、おとなりの韓国にあった。だから韓国の大学に入りました」
そして始まった学生生活。韓国語での日常会話は何とかこなせたが、学友は多国籍。共通言語である英語はほとんど話せないので、通訳ができる仲間に常に“おんぶに抱っこ”。この学生時代に、韓国の中古車をアフリカのアンゴラで売るビジネスを始めた。
「たまたま、グルジア人の友だちから、叔父さんの手伝いで韓国車をグルジアに売ったらいい金になったという話を聞いたからです。だからほかの友人と、“オレたちにもできそうじゃん?”という感覚で始めました」
メンバーは金城さんと1学年下の日本人、そして2人のアンゴラ人。4人の学生仲間で始めた中古車ビジネス。これが当たった。2年半後に金城さんの卒業に伴って解散したが、そのころにはそれぞれが、数千万円のお金を手にするまでになっていた。
プータロー、アフリカへ
ところが、中古車ビジネスにすっかりかまけ、公務員試験の受験も就活もせずに大学を卒業して帰国。気がつけば、25歳のプータローだった。お金には困らなかったのでぶらぶら過ごすうち、翌年、韓国でのビジネス仲間だった後輩が帰国。その後輩も就職の失敗組だ。日本で再会した2人のプータローの頭に蘇ったのは、学生時代の甘い記憶……。
「何もやることがないし、またアフリカで車でも売ろうか……という感じで、改めて中古車ビジネスをやろうと思ったんです」
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