ウェブのコミュニケーションは、リアルイベントの大前提【後編】

先日、文学同人誌即売会「文学フリマ」と小説投稿サイトの「E★エブリスタ(以下、エブリスタ)」が提携し、文学フリマ出店者の作品がエブリスタで読める「立ち読みカタログ」を提供するというニュースが発表されました。一見相反して見えるリアルイベントとウェブサービスという2つが提携したことによるメリットはどこにあるのでしょうか? また、両者の強みを活かしたこれからの戦略とは? 文学フリマ事務局の望月倫彦さんと、エブリスタ取締役の芹川太郎さんの対談を前中後編でお届けします。(構成:碇本学)

前編:「新人賞」では出会えない才能が生まれる場所
中編:「 芥川賞作家・又吉直樹」は、文学フリマなくして生まれなかった!?

日本全国、政令指定都市以外でも「文フリ」を開催したい

芹川 前編でおっしゃっていた「文学フリマ百都市構想」について詳しく教えていただけますか?

望月 文学フリマは、2006年に名古屋で一度開催された以外はずっと東京開催で、「全国各地でもやりたい」という構想は常にあったんです。たとえば大阪だったらやれるんじゃないかと思いつつも、年に二回東京でのイベントを回していくのに精一杯で、なかなか動き出せなかった。そんなとき、2011年に東日本大震災があって、「東京一箇所だけの開催ではまずいな」と切実に感じました。

芹川 開催に踏み切るきっかけのひとつが、震災だったんですね。

望月 それで2013年4月に初めて大阪で開催したところ、大盛況だったんです。初開催にもかかわらず、東京の半数近い300以上ものブースを出店してもらえて、来場者も1,600人を超えました。開催を発表したときには「大阪はそういう空気じゃない」、「あんなところ(※開催地の堺市)誰もいかない」と言われましたが、下馬評を覆す盛況ぶりで、東京以外の街にも需要があると確信が持てたんです。現に、大阪では継続的に毎年やれるようになって2015年9月20日に三回目の開催を迎えます。

望月 「全国津々浦々で文学フリマをやりたいんです!」と大雑把に言ってもうまく伝わらないので、各地域の事務局と連携して横のつながりを取りつつ、オープン化した仕組みを作っていろんな地域に広げていきたいというプロジェクトを、「文学フリマ百都市構想」と名付けました。僕は「アライアンスを組む」と言っていますが、各地域の事務局には文学フリマ事務局の持つデータ処理システム、申し込みや決済のシステムを提供しています。

芹川 野心的でいいコピーだと思います。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
スマホ時代の文学と作家たち—文学フリマ×エブリスタ特別対談 

望月倫彦 /芹川太郎

芸人の又吉直樹さんの『火花』が第153回芥川賞受賞というニュースに沸いた7月16日。選考結果発表のちょうど数時間前に発表されたのが、文学同人誌即売会「文学フリマ」と小説投稿サイトの「E★エブリスタ(以下、エブリスタ)」が提携し、文学フ...もっと読む

関連記事

関連キーワード

コメント

manaview 対談構成しました記事の後編です。 5年弱前 replyretweetfavorite