未来の会議室には、議論を加速させる“仕掛け”がある──。
会議が進む中で、目に見えないファシリテーターやモデレーターが、時にはサーチャー(検索者)や奇想天外なアイデアマンとして登場。もう1人の参加者として議論の場に参加し、アイデア出しや意思決定をサポートし、会議をゴールに導く。
実はこの目に見えないファシリテーターやモデレーターの役割を人工知能(AI)が果たしている。オフィス空間の設計・販売を手がけるイトーキが開発している、未来のワークスタイルデザインによる「AIが組み込まれた会議室」だ。
AIは、普通の人と同じように、その場の雰囲気や文脈を理解してアクションを起こす。まさに“空気”を読むことができるAIが組み込まれた会議室というわけだ。参加者の過去のデータや会議での発言、場の状況を会議空間自らが学習し、成長するシステムである点が、今までにない特長だ。
イトーキはこれまで、空間を行き交うデータ・情報に着目。ICTを活用した情報メディアデザインに注力している。リアルな空間とデジタル・バーチャルな空間をシームレスにつなぐことをテーマに、創造的なワークプロセスをサポートする新しい空間プラットフォーム〈空間メディア化・空間のオフィス化〉の研究開発を行っている。その中の1つが「AIが組み込まれた会議室」だ。
「未来の会議室」のイメージ
常識を認識できるAI
未来の会議室を開発するに当たりまず取り組んだのは、私たち普通の人間が暗黙に共有する常識、つまり当たり前のことを認識できる能力を備えたAI(コモンセンスAI)だ。このAIは日本ユニシスと共同開発している。
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