インタビューの基本は「同意」と「深堀り」
インタビュー術はそれだけで本が1冊書けてしまうほど重厚なテーマですので、ここでは根本的な考えだけお伝えしておきたいと思います。インタビューで大事なことはたった2つだけ、「同意」と「深掘り」です。
私の考える理想のインタビューは、インタビュアーが「すごいですね」と「それってどういうことですか?」の2つしか言わない状態です。これまで200人以上にインタビューをしてきましたが、何度かだけ、そういうことがありました。
「すごいですね」は「なるほど」でも「ははあ」でもいいのですが、同意の表明です。相手の発言に共感し賛同していることを伝えます。それはインタビューに前向きの推進力を与え、相手に次の言葉をしゃべってもらう呼び水として機能します。
かたや「それってどういうことですか?」は深掘り、つまりある話題についてもっと詳しく具体的に教えてほしいという意思の表明です。インタビューに深度と展開をもたらし、また話題に対する正確な理解を促してくれます。
たまに勘違いしている人を見かけますが、インタビューはこちらの意見をぶつける場でも、言ってほしいことを言わせる場でも、相手が隠していることを暴く場でもありません。相手の話したいことを、より豊かに聞き出すことが本質です。
ではもし、聞きたいことと相手の話したいことが食い違っていたとしたら? そのときは、こちらが聞きたいことについて相手が話したくなるように話を運べばいいのです。そのための基本的なツールが「同意」と「深掘り」です。
予想外の答えにこそ「おいしい」内容が現れる
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