暴力」が怖い

自分の家族や大事なひとが暴力にさらされたとき、あなたは自らの手で守ることができますか? 今回の「ワイングラスのむこう側」は「強さ」についてのお話です。守るべき人がいるあなた、この機会にbar bossa店主・林伸次さんと「強さ」とはなにか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

電車で見かけたふんぞり返ったチンピラ

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、井の頭線の電車の中でこんな光景を目撃しました。その電車は、結構混んでいたのですが、ちょっとチンピラ風の男性がすごくだらしなく足を広げて座席シートに座って、さらに自分の隣の席に荷物を置いてたんです。もちろんその時、立っているほとんどの人が「あの荷物をのけたらもう一人座れるのになあ」って思ってるけど、誰も言えません。

そして電車が次の駅に到着したら、いかにも柔道とかをやってますって感じの鍛えられた胸板の厚いデカい男性が入ってきました。そしたらその柔道の彼が、チンピラ風の荷物を「パッ」と掴んで、そのチンピラ風の膝に「ドサッ」と載せたんです。で、すぐそばに立っていた初老の女性に「どうぞ」って席を譲ったんですね。

チンピラ風は一瞬その柔道くんをにらみかけたんですけど、どう見ても柔道くんの方が強そうで、下を向いちゃったんです。その瞬間、電車の中の女性陣が「素敵!」って心の中で思ったのがすごく伝わってきました。そして僕を含め男性陣が「負けた。俺もあんな風にすべきだったのに、できなかった」って悔しく感じたのも伝わってきました。

たまにすごく知的な雰囲気の女性が「やっぱり格闘技をやっている男性を見ると素敵って思っちゃう」っていうときありますよね。セクシー系のタレントが格闘家の男性と結婚したら「まあ、そうなんだろうなあ。お似合いだなあ」と納得しますが、なぜか編集者とか大学関係の女性が「この間ボクシング見ててキューンときた」なんて言ってると、「裏切られた」って文化系の男性は感じてしまいます。そしてそんな現実を前にして、うーん、やっぱり女性って「強い男」が好きなんだなあ、そりゃ当然だよなあっていつもいつも思います。

僕は、bar bossaを開店したころ、ボクシングを習いに行ったことがありました。やっぱり酒場である以上、何か危険なことがあった時のために防衛上、多少の「喧嘩の仕方」のようなものを身につけた方が良いのではと考えたからです。

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

Shogun_Warriors 。 大人のいい話です。 4年弱前 replyretweetfavorite

sizukanarudon 林伸次@bar_bossa https://t.co/OszwK7gKol 僕も、ヤクザオーラがあるって言われるからか…、 電車の中で足を広げて座ってるチンピラ風の男の前を通ると、すっと足を引っ込められたり、 兄貴、お久ぶりッス!って初対面の人に言われたり…(笑) 4年弱前 replyretweetfavorite

JD_Yu_chan 闘わないのが本当の強さなんじゃない?強い男をかっこいいなんて言ってる女は知的に見えたって中身は獣じゃない? 4年弱前 replyretweetfavorite

vertanl 『戦争で銃を撃っている兵士が、かなりの割合で「銃を撃ったフリ」をしているだけという話はご存知でしょうか』 4年弱前 replyretweetfavorite