進化するボーイズラブの愉しみ

なぜ「男同士がいい」のに女体化するのか?—特別編

『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』を出版された溝口彰子さんと、大のBL好きで知られる作家の三浦しをんさんの対談。今回は特別編として、対談イベント後の質疑応答コーナーを掲載します。「受」の男性が女体化するBLへの疑問、「攻」と「受」が自分の想像と逆だった場合の「逆カップリング」問題などなど、会場からのアツい質問へのおふたりの回答に注目です。そして、好きなBLベスト3を聞かれた後の、おふたりのBL愛あふれる返答とは?

海外BL、逆カップリング問題……参加者からの濃厚なご質問

— それではここから会場からの質疑応答コーナーにうつりたいと思います。

質問者1 最近、アメリカのゲイロマンス小説が翻訳されて刊行されることが増えています。BLとハーレクインの文化が絶妙にあわさっていて、私はとても好きです。もしかしたらゲイと腐女子が手をとりあうきっかけにすらなるのではと思っているのですが、溝口先生はどうお考えでしょうか?

溝口彰子(以下、溝口) 私は海外のゲイロマンスはちょっとしか嗜んでいないんですが、アドリアン・イングリッシュシリーズは読みましたね。あれは、主人公がミステリー専門の書店を営んでいるという設定が、日本でいったら昭和を舞台にしているような現代との距離の取り方でおもしろかったです。彼のゲイとしてのあり方は、そのミステリー書店を経営していることからもわかるように、ゲイの主流とはすこし違っている。でもゲイ男性としての自覚の持ち方だとか、カミングアウトのしかたや、ストーリーの進行にからめて周囲の知り合いのホモフォビア(同性愛嫌悪)が明らかになったりするのが、すごくリアル。そのリアルさとエンターテイメント性のバランスがすごいと思いました。
 なので、あれを「現実のゲイがこうあるべき」って読まれる方は少ないと思いますが、実際ゲイの方が読んでもおもしろいと思いますし、そういう意味ではゲイと腐女子の距離を近づけてくれる存在だとは感じます。

天使の影 ~アドリアン・イングリッシュ1~ (モノクローム・ロマンス文庫)
天使の影 ~アドリアン・イングリッシュ1~ (モノクローム・ロマンス文庫)

質問者2 お話楽しかったです。最近の二次創作を読んでいると、「受」が限りなく女体化していることが多いのが気になります。濡れるはずがないだろというところで濡れていたり、妊娠するはずないのに妊娠したり……男同士なのに受けが女性的な生理現象を起こすようになることが多くてすごく疑問に感じていますが、どう思いますか?

三浦しをん(以下、三浦) ご質問では、男の体のままで、機能的に女性化する話をいただきました。たしかに最近、機能的な女性化はBLでもちらほら見受けられる。あれはどうしてなんだろうなあ……。あと、受が身体的に完全に女体化する作品は、BL(商業誌)では嫌がられるようですが、二次創作(同人誌)ではちょくちょく見かける。

溝口 それって、男の身体から女になって、そのままなんですか?

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進化するボーイズラブの愉しみ

三浦しをん /溝口彰子

BLと女性のセクシュアリティーズを研究している溝口彰子さんの著書『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』が発売されました。これを記念して、下北沢のB&Bで、溝口さんと、大のBL好きで知られる作家の三浦しをんさんの対談イベントが行われ...もっと読む

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コメント

IchikoroBkrr https://t.co/UDULUFvZCk "bl 女体化 なにがいい" でググった結果。今から読む 2年以上前 replyretweetfavorite

ricek9s “でも歳をとると、好きなものが一定じゃなかったり、嫌いなものを認めても、自分は揺らがないし変わらないというのがわかってくるんだと思います。” 約5年前 replyretweetfavorite

chiruko_t にょたいけるほうです。  約5年前 replyretweetfavorite

chiruko_t2 定期的におっぱいに萌える時期があります。  約5年前 replyretweetfavorite