タケル:じゃあ、早速、プログラミング言語の書き方を教えてよ。
お父さん:ちょっと待って。一口に「プログラミング言語」って言ってもいろいろな言語があるんだ。まず、その中から選ばないとね。
タケル:えっ、プログラミング言語ってたくさんあるの? 一つでいいじゃん。
お父さん:たしかに、プログラミング言語が一つだけなら勉強が楽なんだけどね。実際にはいろんなプログラミング言語があって、書き方も違ったりするんだ。
タケル:なんで?
お父さん:ふつうの言語も英語や日本語、スペイン語……みたいにたくさんあるでしょ。そのこととちょっと事情が似てるかな。
タケル:そうなの?
お父さん:ふつうの言語は、その地域の人たちが「こういう言葉を使ったら他の人とコミュニケーションしやすい」という経験を積み重ねて自然にできあがってきたものなんだ。それに対して、プログラミング言語は自然にできたものじゃなくて、言語ごとに作者がいる。それぞれの言語の作者が「こういう書き方にしたらコンピュータとコミュニケーションしやすい」と考えて、それぞれ違った特徴を持つ言語を作ってるんだ。
タケル:それって、いろんな考えの作者がいるってこと?
お父さん:そうそう。作者によって、「こういう種類のプログラムを書きやすい言語を作りたい」とか、「とにかく動作が速いプログラムを作れる言語にしたい」とか、いろんなことを考えて、言語を設計してるわけ。有名な言語には「C」や「Java」「C#」「JavaScript」なんかがあるよ。有名じゃない言語も入れると、何百なのか何千なのか、数えきれないほどある。
タケル:いろんな言語があるってことは、その言語が動くコンピュータを買ってこなきゃいけないんじゃないの?
お父さん:その心配はないよ。それぞれのプログラミング言語には、その言語をコンピュータで使えるようにするソフトウエアを作者が用意してる。これを「開発実行環境」っていうんだ。メジャーな言語だったら、たいていパソコン用の開発実行環境もある。言語の開発実行環境をパソコンにインストールすれば、その言語を使えるようになるよ。
タケル:違う言語の環境を一つのパソコンに入れてもいいの?
お父さん:大丈夫だよ。一つのパソコンにいろんなプログラミング言語の環境をインストールすれば、そのパソコンでいろんな言語を使えるようになる。
高性能がいいか、手軽がいいか
タケル:ふつうの言語だと、英語はフランス語やスペイン語に似てるけど日本語にはあまり似てないとかあるでしょ。プログラミング言語もそうなの?
お父さん:いいところに気がついたね。プログラミング言語にも似たタイプと違うタイプがある。似ているかどうかで分類することもできるよ。いろんな切り口の分類があるけど、ここでは「高性能か手軽か」で分けてみようか。
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