唐木元
文章は目と耳と脳で味わうもの
ニュースサイト「ナタリー」の文章教室「唐木ゼミ」。文章を書き上げ、いよいよ磨き上げていく段階に突入しました。気持ちよく完読できる文章にするためには、どこに気を付けて磨けばいいのでしょうか? 「3つの見地」を意識しながら例文を味わってみましょう。
推敲の3つの見地
よく「料理は目と耳でも味わう」なんて言いますが、文章も同じ。われわれは書かれている内容だけを味わっているわけではありません。見た目のイメージや立ち現れるリズムを感じながら、脳で意味を捉えていくのです。
したがっていくら内容が好ましくても、視覚的に醜い文章、韻律のつたない文章は、最後まで読む気になれません。「完読」を目指すためには、意味は脳、字面は目、語呂は耳、と複数の感覚器を使って、立体的にブラッシュアップする必要があります。
1 意味=ミーニング=脳
まずは黙読しながら内容のチェックです。事実→ロジック→言葉づかいの順に積み上げていくのは前回紹介した通り。誤字脱字や事実誤認はないか、次いで主眼と骨子がかみ合っているかどうか、そして表現や文法が適切かを確認していきます。
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この連載について
唐木元
文章を「書きながら」考えていませんか? 毎月3,000本以上もの記事を配信し続けるニュースサイト「ナタリー」で新人教育を担当する唐木元氏が、「書ける人」が自然にやっている基本を誰でも実践できるメソッドとして伝えます。
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著者プロフィール
1974年東京都生まれ。株式会社ナターシャ取締役。大学在学中よりライターとして働き始める。卒業後は事務所「テキストとアイデア」を開設、雑誌を中心に執筆・編集の現場に従事した。2004年より編集者として、ライブドア・パブリッシング、幻冬舎、KI & Company(ジーノ編集部)と3つの出版社に勤務。2008年、株式会社ナターシャに参加し、編集長として「コミックナタリー」「おやつナタリー(終了)」「ナタリーストア」を立ち上げた。