A.男らしいと思いきや、SNS映えしそうなパーティースイーツ、女子に人気のカフェドリンクメニューのオンパレード!
クッキングパパというと、豪快な巨大食材料理や、難易度の高いこだわり料理などのいかにも「男の料理!」という料理を想像するけれど、意外なところで、女性が喜ぶようなスイーツメニューも超充実しているのである。
クッキングパパ・荒岩は連載開始の第2回目から、なんと突然の残業に励む部下たちのために、アイスクリームを作っている。しかもラムレーズンというオシャレなフレーバーをチョイス。昼休みに会社の給湯室で生クリームを泡立ててアイスクリームを作るいかつい男の姿は、ちょっと異様だ。しかし荒岩はこのときまだ自分が料理をすることを隠しているはず。狭い給湯室で大男がゴソゴソと作業をして、バレないとでもと思ってるんだとしたら荒岩の危機管理能力がちょっと心配だ。
できあがったアイスクリームを「買ってきた」と偽って残業中の部下たちにふるまうと、みんなは大喜び。荒岩班は当時6人中3人が女性。女性にウケる差し入れで部下のストレスを和らげようという狙いもあっただろう。さすが荒岩、気配りがゆきとどいてる!
しかし、ここでひとつ疑惑が浮上する。レシピタイトル部分の「女の子のだ~い好きな」という若干すけべ心の見えるフレーズに注目してほしい。もしかして、荒岩……ちょっとモテようとしているのでは……! 荒岩はあんなムスッとした顔をしているが、実は女子をときめかせたい気持ちがあったのかも。時代は80年代バブル、完璧なパパの荒岩とてそんな気分になっちゃってもしょうがないよね!
いわんこっちゃない、すぐに部下・木村にバレる ©うえやまとち/講談社
「女の子のだ~い好きな」という言葉に漂う下心よ…… ©うえやまとち/講談社
しかし荒岩がラムレーズンアイスを作ってから2年後、私が「荒岩のスイーツはしょせんモテ目的」と邪推したことを猛省するようなできごとが起きる。
荒岩のアパートの上の階に住む森山さん一家に、2人目の赤ちゃん・たけし君が誕生する。2人目にして生まれた男の子に森山家の両親は夢中。お姉ちゃんとなり、弟に両親の愛情を奪われたような気持ちの純子ちゃんは、お母さんがたけし君の3ヶ月検診に行く日にアパートの前で「一緒に行きたくない」とグズってしまう。そこに颯爽とエプロン姿で登場した荒岩は「奥さんっ よかったら純子ちゃん見てましょうか」と申し出る。そして息子まこと、純子ちゃんと一緒に定番の洋菓子・シュークリームを作るのである。さすがは荒岩、小さな女の子のハートを掴むバッチリな提案!
一緒にお菓子を作ることで純子ちゃんの表情は明るくなり、笑顔になる。奥さんを助け、純子ちゃんに優しくシュークリームの作り方を教える荒岩の姿はものすごくかっこいい。もはや父親母親の役割を超えたスーパーマンのようだ。荒岩のスイーツは「モテ」などという小さな規模におさまるものではなかったのである。
エプロン姿の荒岩の頼もしさ ©うえやまとち/講談社
純子ちゃんとシュークリームを作る荒岩、すてき……! ©うえやまとち/講談社
純子ちゃんの笑顔がすべてを物語る ©うえやまとち/講談社
荒岩の作るお洒落で楽しいスイーツは女子会対応もバッチリ! でも、ちょっと間違った女子力料理も……?
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