岡田育 /深澤真紀
誰も「代表」なんてできない——vol.5
単に生まれた年が近いというだけではなく、何を見てきたかによって決まる「文化年齢」の近さが「共感」につながるのではないかという話で盛り上がる深澤さんと岡田さん。そしてテーマは再び「腐女子とフェミニズム」に戻って……。
性別より年齢より“文化年齢”
深澤真紀(以下、深澤) 話していて改めて思ったんだけど、岡田さんと私の考え方の共通点は、性別より世代にすごく拘泥しているってことですよね。
岡田育(以下、岡田) ああ、たしかに!
深澤 日本ほど異常にサブカルチャーが発達している国だと、三歳違うと見てきたものがかなり違う。私はファーストガンダムをリアルタイムで見てきて、ものすごく影響を受けた世代だし、そうでない人に対しては「違うものを見てきた人だ」という意識がある。
岡田 すごくわかります。だから気にするのは今の「年齢」がアラサーかアラフォーかではなく、いつの時代に生まれて育ったか、なんですよね。つまり文化年齢。たとえば私は年齢こそ30代半ばですが「エヴァ以前、エヴァ以後」でいうと完全に「エヴァ以前」のオタクです。同い年の友達で「エヴァ以後」のマインドを持ったオタクもいるんだけど。
深澤 「生まれた年」という意味の世代ではなくて、「何を見てきたか」という世代が重要なんですよね。
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この連載について
岡田育 /深澤真紀
「草食男子」「肉食女子」という言葉を生み出したコラムニスト・深澤真紀さんと、cakesの「ハジの多い腐女子会」や「ハジの多い人生」でもおなじみ、編集者・文筆家の岡田育さん。共通点が多いのに、じっくり話したことがないというおふたりが、「...もっと読む
著者プロフィール
コラムニスト、企画会社タクト・プランニング代表取締役社長、淑徳大学人文学部客員教授。1967年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、いくつかの会社で編集者をつとめ、会社を設立。「草食男子」を名付けて2009年流行語大賞トップテンを受賞。主な著書に、『草食男子世代――平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)、『女はオキテでできている――平成女図鑑』、『結婚問題』(共に春秋社)、『「そこそこ ほどほど」の生き方』、『考えすぎない生き方』(共に中経の文庫)、『働くオンナの処世術――輝かない、がんばらない、話を聞かない』(日経WOMAN選書)、『ニュースの裏を読む技術――「もっともらしいこと」ほど疑いなさい 』(PHPビジネス新書)、『ダメをみがく』(津村記久子との対談集、紀伊国屋書店)、『女オンチ。 女なのに女の掟がわからない』 (祥伝社黄金文庫)などがある。
Twitter:@fukasawamaki