女オンチな女たち

専門家」コンプレックスは解消できるのか?—vol.4

「ハジにいるからこそ、中心との通訳者や翻訳者でありたい」と考える深澤真紀さん。岡田育さんも、「ハジと中央の交易商人」を目指しているそうです。メディアでの露出も増え、その役割を実現しつつある岡田さんが抱えている悩みと、それに対する深澤さんのアドバイスとは?

プロメテウスのように、両陣営から叩かれて

深澤真紀(以下、深澤) 岡田さんの学生時代はもうインターネット全盛だし、しかもデジタルに強いSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)に通っていたのに、職場としては出版社、しかもそのなかでもアナログで保守的な会社を選んだでしょう。
 編集者をしたいなら、当時からすでにウェブ媒体もあったし、もっとデジタルに親和的な会社も多かったと思うのですが。

岡田育(以下、岡田) これも「人生カウンターカルチャー」な話につながるんですけど……私がSFCに進学したのは、親がアナログ人間で、家にパソコンを買ってもらえなかったからなんですよ。当時、日本ではまだ珍しかった「24時間インターネットし放題」のキャンパスに憧れて、ただそれだけでした。でも大学院へ進学した頃から、またその反動がきちゃったんです。なんか、アナログの禁断症状みたいになって……気づくと神田神保町の古本屋でものすごく読みにくい細かい文字の岩波文庫なんかを大量に買っていて。

深澤 パラフィン紙をバリバリ言わせながら(笑)。

岡田 そうそう(笑)。原点が図書委員だったこと忘れてた! という。過剰に行き過ぎては反動で対極に出戻る、繰り返しですね。出版社という、アナログな世界を目指したのはそんな時期のことです。

深澤 でも出版社に入ってみたら、思っているよりずっとデジタルオンチばかりだったでしょう。

岡田 お察しの通りです。「サイトのURLを手書きのFAXで送る」とか、共用のパソコンがフリーズしたのをちょちょっと再起動させただけで「電脳空間から来た魔法少女」みたいな扱い受けるとか、そういう時代でした。

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女オンチな女たち

岡田育 /深澤真紀

「草食男子」「肉食女子」という言葉を生み出したコラムニスト・深澤真紀さんと、cakesの「ハジの多い腐女子会」や「ハジの多い人生」でもおなじみ、編集者・文筆家の岡田育さん。共通点が多いのに、じっくり話したことがないというおふたりが、「...もっと読む

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コメント

yumipsekip 過剰適応しそうな場所と距離を置いてきた。むーん。 約2年前 replyretweetfavorite

kabothomas 深澤さん良いなぁ。 「私は自分のことを、くそ左翼でくそリベラルでくそフェミニストと自戒しつつ自称しているんだけど」 vol.4| 約2年前 replyretweetfavorite

chiyio1011 わたしも昔の痛いノートとか残ってないかな… QT 約2年前 replyretweetfavorite

monokirk 貿易商人のおかげで色んな世界のブツが仕入れられるのです。>「ハジと中心との間に橋をかけて、互いのよきものを物々交換したりする、貿易商人みたいな役割を担いたい」 約2年前 replyretweetfavorite